第1402号 群馬県でお話ししてきました
こんばんは、パピーいしがみです。
もうすでに新学期が始まっている方もおられると思いますが、始まりが遅い学校でも明日、9月1日から新学期が始まるのではないでしょうか?
これでやっとお母さんの負担も減りますね。
とは言ってもこの夏には大変な災害がありました。
まずは熊本県の地震、そして千葉県の豪雨、それから石川県と富山県、そして一昨日は福井県も相当な被害があったようです。
被災された方々には、一日も早い復旧と平穏な日々が戻りますように。
そして、被災されなかった方も、いつ何があるかわからないので、地震への備えと一緒に豪雨や川の氾濫などに備えをなさってくださいね。
このメルマガは本来、毎日曜日の21時30分に配信しているのですが、今回は群馬県での講演についてお話したかったので、1日、余分にお時間をいただきました。
渋川市全市から、各学校の校長先生とPTA会長、PTA役員のみなさんがお集まりになり、渋川市以外から参加をされた方も多くいらしたようです。
そして事務局である教育委員会、それから教育長、と、運営と来賓と参加者を含めて100人くらいの前でお話をさせていただきました。
ご希望されていた内容が「親と子のコミュニケーション」ということで、それを紙芝居のようにスライドに起こし、そのスライドに基づいてお話しさせていただきました。
参加された方々のお子さんは、小学校1〜3年生が30%、4年生〜6年生が30%、中学生以上が40%という割合でした。
やはり思春期に入る段階にある4年生〜の親御さんは、いろいろお悩みをお持ちのようでした。
結論から先に言ってしまうと、手前味噌ですが、けっこう評判がよかったようです(^^)。
お話の後に質問時間があったのですが、質問が終わらないので司会進行から「お時間もあるのでこの辺で・・・」とアナウンスが入ったり。
もともと懇親会にも参加するつもりだったので「私、懇親会までおりますので、ご質問やセンシティブなご相談をなさりたい方もどうぞ」とお伝えし、結局、最終の8時まで対応させていただいていました。
その後、「今までこういう講演会って嫌っていうほど聞いてきたけど、初めて『面白い!また聞きたい!』と思いました!」と言っていただけたり、
(紙芝居効果だと思いますが)「すごくわかりやすかった」とも言っていただけました。
それ以外にも、「あの話・・・刺さりました・・・」と個別にお礼を言われたり・・・、
来年度のPTA活動の中で講演をお願いしたい・・・と数件の学校からもご依頼をいただきました。
いつも私が話している内容でもあるので、ご存知の方も多いとは思うのですが、当日お話ししてきた中身を、ご紹介させていただきますね。
(途中で脱線したり、私の個人的な話もしましたが、それらは割愛しています・笑)
「肯定」という考え方
会場でお話しした柱は、私の子育て論の根幹である「認める・褒める・包む」でした。
ですが今日のテーマは「親と子のコミュニケーション」ということなので、みなさんには、
「今日は『肯定』の考え方について持って帰ってください」から始まりました。
「認める・褒める・包む」この3つを、私は「肯定の言葉」と呼んでいます。
では、肯定には、どんな効果があるのか。
いちばん大きいのは、これです。
【人は、自分を肯定してくれる人を好きになる】
学校の先生を思い出してみてください。好きだった先生は、ガミガミ叱る先生でしたか。それとも、楽しくて、時々褒めてくれる先生でしたか。
ご主人でも、奥様でも、お付き合いしていた頃のお相手でも同じです。相手が自分を好きでいてくれると、こちらも好きになりますよね。
そして人は、【自分が好きな人に、もっと好きになってもらおうとする】んです。
心理学では、自己呈示理論とか、ミケランジェロ現象という言い方をします。
特に、ミケランジェロ現象とは、石の中に眠る理想像を掘り出すように、相手を応援すると、その人が自分から理想の姿へ変わっていく、という現象です。
ところが、多くのご家庭では、逆のことをしてしまっています。
子どもの行動を変えようとして、厳しく叱る。指示・命令をする。
すると子どもは親を嫌いになり、関係が悪くなる。
関係が悪くなるからやる気を失い、態度が悪くなる。
そんな姿勢を・・・また叱る。
このループなんですね。
でも正しい順番は、こうです。
子どもを肯定する → 関係が良くなる → 子どもが、親の望む行動をしやすくなる。
子どもの行動を変えたいなら、関係の改善が先。関係を改善したいなら、肯定が先。
順番が逆になっていないか、ここだけ見ておく必要があるんですね。
その前に、捨てるもの2つ
その肯定の話に入る前に、捨てていただきたいものが2つあります。
ひとつは、「親が正しいことを教えなければならない」という考え方です。
親は長く生きていますから、「これが正しい」「こうした方が早い」という知識があります。だから、よかれと思って「こうしなさい」「こうすべき」になってしまう。
これ、幼稚園から小学校の低学年までは、素直に聞くんです。
ですが、自分で考えるようになる10歳くらいから、「指示・命令」にしか聞こえなくなります。(早い子は8歳、9歳から)
そうなると、聞くどころか「うるせーな」の方が先に来るんですね。私自身がそうでしたから、よく分かります。
そしてこれ、優秀な方、成果を出してこられた方ほど、強く出ます。ご自分が努力して壁を乗り越えてきた実績がありますから、当然なんです。
もうひとつは、親のプライドです。
子どもが何か失敗して、学校に謝りに行く、相手のお宅に謝りに行く。これは、辛いですよね。何度も続くと「またか」「どれだけ迷惑をかければ気が済むんだ」と思ってしまう。
これは、指導的な立場のご家庭に多いんです。
私の父は学校の先生で、書家でもあり、門下生が1万人ほどいました。「先生のお子さんは立派ですね」と言われたい人でした。
ですが私がこんなでしたから、父はいつも苦々しく思っていたわけです。
では、なぜ「こうすべき」がいけないのか。
「こうすべき」と言われ続けた子は、自分で考えなくなるからです。
親の言うとおりにやれば失敗しない。怒られない。楽なんですね。
そうやって育った子は、大人になったときに自分で決められません。決められないから、うまくいかないと人のせいにする。そして自分に自信が持てない。
私は会社員時代、人材育成の仕事をしていました。10人のうち6人は打てば響くのですが、残りの4人は響かない。その4人には共通点がありました。
「どうせ自分なんて」という自己肯定感の低さ。自己中心的で、ミスをしても人のせいにする。
この4人と、さっきの「こうすべきで育った子」が、そのまま重なるんです。
家庭こそが、人を育てるいちばんの場所ではないか?と思ったんです。
たくさん失敗させてください
とはいえ「親が教えなければ誰が教えるの」「人に迷惑をかけてはいけないでしょう」と思われますよね。
ここは、日本と海外でずいぶん違います。
日本では「人に迷惑をかけてはいけません」と教えます。
ある国では「あなたも人に迷惑をかけて生きているのだから、人の迷惑も許してあげなさい」と教えるそうです。
私はこれを聞いたとき、少し衝撃を受けました。
今まで人に迷惑をかけたことがない人など、いないと思うんです。私などは、かけっぱなしでした。
そして「失敗から学んだ」という方も、多いのではないでしょうか。
失敗は、決して悪いものではありません。
大人になってから致命的な失敗をしないように、やり直しがきく子どものうちに、たくさん失敗しておいてほしいのです。
ところが今は、失敗しにくい時代になりました。
料理はクックパッドやYouTubeが教えてくれる。サッカーの練習メニューはAIが組んでくれる。答えがすぐそこにある。
便利なのですが、その結果、うまくいかないことに耐えられない子が増えています。
8050問題、最近は9060問題とも言われますね。そこに含まれる家庭は約61万戸と言われ、今も増えています。
50代の方の下には、40代も30代も、中高生もいるわけです。
失敗が怖くて挑戦できない。挑戦しなければ、達成感も感動も手に入らない。だから簡単に手に入る喜びに向かう。
ですから、失敗もさせて、たくさん迷惑をかけさせてあげてほしいんですね。
もし人にも迷惑をかけるようなら、親が頭を下げればいいんです。
そして、その姿こそが、最高の教育になります。
親が自分のせいで頭を下げている。この光景は、強制で正しいことをさせるより、ずっと深く子どもに刻まれます。
叱ってもいい。ただし、褒めるをひとつ増やす
「では、叱ってはいけないの?」と思われますよね。
叱るは、あっていいんです。
ただ、叱る・叱責する・注意する・小言を言う、こういう否定の言葉が多すぎると、子どもの心は離れていきます。
肯定してくれる人を好きになるのと、ちょうど逆ですね。
ここで、二宮尊徳の言葉をご紹介します。
「可愛くば、五つ教えて三つほめ、二つ叱って良き人にせよ」
叱ると褒めるの比率は、2対3。2つ叱ったら、3つ褒めなさい、という意味だと私は解釈しています。
ところが、これができている方が、めっぽう少ない。
叱るのは簡単なんです。私たち日本人は「減点思考」と言われていて、間違いやミスを見つけるのが得意なんですね。
海外は「加点思考」だと言われます。数字にも出ています。
「自分自身に満足しているか」という設問に、13歳から29歳が答えた調査です。
アメリカ 83.0%
ドイツ 81.2%
フランス 80.8%
スウェーデン 74.8%
日本 57.4%
(こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」令和5年度)
日本だけ、はっきりと低いんですね。
「認める」と「褒める」
さて、では「褒める」を増やしましょう、となるのですが、これが難しい。
「褒める」というと、「よくできたね」「すごいね」「100点取ったの、えらいね」というイメージですよね。
お気づきでしょうか。これは全部、結果なんです。
私はこれを「結果褒め」と呼んでいます。
結果褒めだけをしていると、「結果が出なければダメなんだ」「頑張ったけどダメだった、じゃあやらなきゃよかった」となってしまう。
そこで私は、褒めるをもうひとつ手前から分けました。それが「認める」です。
認めるというのは、実況中継です。今していることを、そのまま言うだけ。
「あ、○○してるんだね」
褒め言葉ではありません。ですが、過程を含めて肯定ができます。
すると、結果しか目に入らなかったものが、「考え方」「行動」「チャレンジ」「継続」「結果」の5つになる。褒めるところが、5倍になるんですね。
【考え方】「なるほど、そういう考え方なんだね」「そうか、そう考えたんだ」
【行動】 「今、しっかり聞いていたね」「まっすぐ目を見て話してるね」
【チャレンジ】「お、なわとび始めたんだね」「新しいチャレンジだね」
【継続】 「もう○日も続いてるね」「今日で何日目?」
どうでしょう。褒めてはいないのに、ちょっと嬉しくありませんか。「見てくれているんだ」と伝わるからです。
継続について、ひとつだけ。
三日坊主と言いますね。3日続いて4日目にできないと、そう言われます。
ですが私は、3日やって2日休んで、また始めたなら、それは継続だと思っています。
陸上のインターバル走も、ダイエットのチートデーも、途中に休みが入るから続くわけです。毎日やることだけが継続ではありません。
そして「褒める」は、この認めるに、ひとこと足すだけでいいんです。
「なるほど、そういう考え方なんだね」+「その発想はなかったなあ」
「もう○日も続いてるね」+「さすがだわ」
考え方を肯定され、行動を肯定され、チャレンジと継続を肯定されたら、結果は出やすくなりますよね。
そして自分から「やりたい」と思って始めた子は、吸収力も理解力も上がります。
やった先には達成感があり、感動があり、喜びがある。だからまた次に挑戦したくなる。
この好循環に入ると、親は何もしなくてよくなります。私は自分の3人の子どもで、それを見ていました。
「包む」── これが、いちばん大事かもしれません
認める・褒めるが効いてくると、子どもは動き出します。行動が増え、チャレンジが増えます。
そして、チャレンジをする子には、必ず失敗と挫折があります。
そのとき、子どもはこう言います。
「最初から無理だったんだ」「どうせ自分なんて」「もうやりたくない」
親としては、切ない時間ですよね。
この時に何をし、なんと声をかけるのか?ここが「包む」です。
包むというのは、失敗した子が安心して、もう一度立ち上がるための、親の姿勢であり言葉です。
見守る、でもありません。信じて待つ、でもありません。転んだその場所で、受けとめることです。
やってはいけないのは、鼓舞して、もう一度やらせようとすることです。
「頑張れ」「あきらめるな」「そんなことでどうする」
これは、追い打ちなんですね。
そうではなく、
「失敗してもいいんだよ」「凹んでもいいんだよ」「お母さんも、たくさん失敗したよ」
落胆すること、落ち込むこと、それ自体を『肯定』してあげてください。
そうすると子どもは「自分だけじゃなかったんだ」と、気持ちが軽くなります。軽くなるから、次の一歩が出る。
この、自分で乗り越える力を、レジリエンス(復元力)と言います。
ガラスは石が当たると割れて戻りません。粘土はへこんだままです。スポンジは、へこんでもすぐ元に戻る。この元に戻る力のことです。
そして復元力は、乗り越えた経験からしか育ちません。だから失敗が必要で、だから「包む」が必要なんですね。
思春期のお子さんをお持ちの方へ
会場では7割ほどの方が、思春期のお子さんをお持ちでした。「うざい」「別に」「ほっといて」と言われたことがある方に手を挙げていただいたら、ほとんどの方の手が挙がりました。
ここで、ひとつ注意点があります。
「褒める」は、年齢が上がると、そのまま受け取ってもらえなくなります。
「思ってもいないくせに」「何か企んでるんじゃないの」「おだてて何かさせようとしてるな」
猜疑心が生まれるんですね。批判的に考える力がついてきた証拠でもあります。
ですが、「認める」なら警戒されません。
起きている現象を、実況中継するだけだからです。「もう始めてたんだね」「今日は早いね」。これなら、猜疑心の入りようがありません。
それから、「学校どうだった?」「別に」で会話が終わる件。
これは異常ではありません。むしろ正しく成長しています。
幼稚園の頃は何でも話しました。ですが思春期になれば秘密ができますし、プライバシーも分かってきます。自立に向かっている子ほど、親とベタベタしたくないんです。
ただし、拒絶したい気持ちを強めてしまう、親の言動はあります。
「○○しなさい」「○○すべき」「迷惑をかけるな」。そして、否定の言葉が肯定より多いこと。
さきほど捨てていただいた2つ(教えなければという考え方と、プライド)が捨てられていれば、ここまでにはなりません。
でも、すでに拒絶されている場合は、この3つを試してみてください。
(1)長い説教はいらない。短い一言でいい
「おはよう」「ご飯あるよ」「おかえり」。これだけでいいんです。
返事は、なくてかまいません。大事なのは、拒絶されても、こちらは普段どおりでいること。それが認めることになります。
(2)命令を、質問に変える
「こうしなさい」と言いたくなったら、飲み込んで、代わりに「あなたはどう思う?」と聞いてみてください。
返ってくる答えが「別に」でもいいんです。命令を質問に変えた、その一回が第一歩になります。
(3)話しかけてきた瞬間に、手を止める
拒絶している子も、ふとした時にポツッと話しかけてきます。台所に立っている時、車の助手席、面と向かわない場面が多いですね。
その時は(運転時以外は)手を止めて聞いてください。否定しない。アドバイスもしない。聞くに徹する。
思春期は、必ず終わります。問題は、それが過ぎたときに、親子の間に何が残っているかです。
厳しい指摘だけが残っているのか。あの時も肯定してもらえていた、が残っているのか。
そして、まだ思春期に入っていないお子さんをお持ちの方。
今は何でも話してくれますよね。その関係のまま思春期に入れるように、今から肯定の言葉を使っておいてください。
比率は2対3です。否定の言葉を2つ使ったら、肯定の言葉は3つ。1つ多くしてくださいね。
最後に
当日の最後のスライドは、これでした。
強制・命令では、人は動きません。人が動くのは、自分が納得したときだけです。
ご自宅に帰って「あれしろ、これしろ」と言われて、喜んでやる方はいませんよね。
仕事ならやるでしょう。ですが、利害関係のない親子や夫婦の間では、そうはいきません。
子どもも、まったく同じです。
肯定する。関係が良くなる。子どもが自分から動く。
私たちには「人は、自分が好きな人に、もっと好きになってもらおうとする」という心理があります。
これを上手に使って、親子のコミュニケーションの改善をはかっていきましょう。
今日は『肯定』の考え方についてお話しさせていただきました。みなさんのお役に立てたらこれほど嬉しいことはありません・・・。
・・・・
最後にいつものようにお知らせをして終わります。
【お知らせ】
(1)私のメールボックスにトラブルがあったようで、もしかしたら相談メールなどを送ってくださった方にお返事できていなかったかも?と心配しています。
もし「メールをしたけど返事がない」とお感じの方は、下記メールにご連絡くださいね。早めにお返事できるように致します。
(2)2026年下期ランチ会は、下記のようになります。
1度ランチ会に参加した人も参加してくださってOKです。
その方が多方面で仲間が増えますからね♪
9月(中旬) 山梨県ランチ会
10月 大阪府ランチ会
11月 愛媛県ランチ会
参加をご希望の方はパピーいしがみまで。
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今日も最後までご覧いただきましてありがとうございました。
暑い日が続きますからね。体調管理をしてのりきりましょうね♪
では、また来週お会いしましょう(^^)
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子ども達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。














