第1411号 「あなたには無理」と言わないで
こんばんは。パピーいしがみです。
11月に入りました。今年も、残り2か月ですね。
この時期は、ピアノの発表会や、学校の音楽会があるご家庭も多いのではないでしょうか。
今日は、ピアノにまつわるお話です。
3年前にいただいたご報告なのですが、何度読み返しても私が元気をもらえるお話なので、読みやすく整えてお届けしますね。
その前に、ひとつ言葉をご紹介させてください。
「ドリームキラー」という言葉です。
子どもが何かをやろうとしたときに、「どうせできっこない」「あなたには無理よ」と、やる前から反対する人のことです。
言われた子どもは、やる気をなくしてしまいます。
そして、せっかくのチャンスを、自分から手放してしまうこともあるんですね。
ですから私は、子どもが「これをやりたい!」と言い出したときには、すぐに反対しないでくださいね、とお願いしています。
できれば、やらせてあげてほしい。
うまくいっても、いかなくても、経験させてあげてほしいんです。
それを本当に実行して、子どもに「無理よ」と一度も言わなかったお母さんがいます。
ちゃんぐむさんといいます。
ちゃんぐむさんとは2006年からのお付き合いで、もう20年になります。
お子さんたちは発達がゆっくりで、小さいころは、できないことも少なくありませんでした。
でも今は、それぞれが立派に育っています。
3年前、高校生だった末の娘さんのことで、こんなご報告をいただきました。
楽譜が読めない娘が、ピアノを始めました
ココから・・・
末の娘は、アルバイトをしながら、YouTubeで見つけたピアニストさんに、すっかりほれこんでしまいました。
「この人が、ピアノのレッスンをしてくれるんだって。私、この人に会いたいから、『Summer』(久石譲さんの曲です)を弾けるようにする」
そう言って、夏休みを使って練習を始めたんです。
でも、娘はずっとスポーツばかりしてきた子です。楽譜は読めません(笑)。
五線譜を1音ずつ数えて、「これはラ」「線からはみ出したところの音は、どうするの?」と、1音ごとに格闘の毎日でした。
9月になって、よく耳にするところを両手で弾けるようになったころ、娘が言いました。
「ねえ、お母さん。本物の『Summer』と、家にある楽譜は、どうして音が違うの?」
家の楽譜は、弾きやすいように簡単に書き直されたものだったんです。
それを知った娘は、「本物の楽譜を買いに行こう」と言って、9月17日に、ちゃんとした楽譜を買ってきました。
レッスンは10月1日です。楽譜を読むところから、全部やり直しです。
うわー、どうなるんだろう……。
私は子どものころピアノを少し習っていて、先生に怒られた思い出があります。ですから、楽譜も読めないままレッスンを受けるなんて、私のほうが怖くてたまりません(笑)。
でも娘は、先生に怒られる怖さなんて知りません。ピアノ、学校、バイト、ピアノ、寝る。この繰り返しでした。
そして10月1日。楽譜の半分くらいまで読めた状態で、レッスンに行きました。
レッスン代も、行き帰りの電車代も、全部自分のバイト代です。
帰ってくるなり、
「お母さん!サイコーだったよ♪」
「かっこよかった」
「すごく優しく教えてくれたよ♪」
「私、センスあるって」
と、大喜びでした。
スポーツをしているときとは、また違う笑顔です。
「次のレッスンも予約したよ。10月22日。次は全部弾けるようになりたい」
「楽譜に、ドレミを書きこんでいいんだって」
と、鉛筆を片手に「これはラ、これはソ」と書きこみながら、また練習です。
そして10月22日。楽譜を見ないで、ペダルまで踏んで弾く娘の姿に、私は本当に感動しました。
レッスンでは先生に「この上達はすごいよ!」「がんばったね」と、たくさん褒めていただいたそうで、「次は何の曲を弾こうかな?」と、すっかり乗り気です。
挑戦には、いつも失敗のおそれがあります。
もし私が、高いレッスン代に反対していたら。
「あなたには無理よ」「そんな遠くまで、お金を使って」「ネットで見つけた人のレッスンなんて、だまされているんじゃないの」
親の頭には、子どもの足を引っぱる言葉が、いくらでも浮かびます。
でも私には、パピーさんに教わった「子どもが自信をつけるには?」という問いが、いつも子育ての真ん中にあります。
挑戦して失敗したら、それは勉強代。
「この程度ですんでよかった」「長い人生から見たら、大したことはない」
そう思って受け止める覚悟ができたから、娘に挑戦させることができました。
パピーさん、私のそばには、いつも、教えていただいた「認める」「褒める」「包む」があります。ありがとうございます。
ココまで・・・
ね~。すごいでしょう。
ずっとスポーツ一本でがんばってきた娘さんです。楽譜は1音ずつ数えないと読めませんでした。
それが、夏休みから練習を始めて、10月の終わりには、楽譜を見ないで弾けるようになったんですね。
ちゃんぐむさんの家には、ドリームキラーがいません。
お子さんたちは、「あなたには無理」と言われたことがないまま育っています。
興味をもったこと、やってみたいことを話すと、いつも「いいね」と言ってもらえて、応援してもらえる。
そういう家で育つと、子どもはこんなふうに、自分から動けるようになるんです。
それにもう一つ、この娘さんは、長く続けてきたスポーツで、「練習を続けた先には、すばらしい景色が待っている」ということを、体で知っていました。
だから、指がうまく動かなくても、楽譜が読めなくても、「練習したら、かっこよく弾いている自分になれる」と思えたんですね。
そしてお母さんも、娘さんが失敗してもいいように、ちゃんと覚悟を決めていました。
「失敗したら勉強代」。ここが、いちばん大事なところです。
ちなみに、ちゃんぐむさんが最後に書いてくださった「認める」「褒める」「包む」は、私がいつもお伝えしている子育ての3つの柱です。
お姉ちゃんまで、動き出しました
「メルマガでご紹介させてください」とお願いしたら、ちゃんぐむさんから、こんなお返事が届きました。
ココから・・・
メルマガの件、もちろんOKです。光栄です。
パピーさんのおっしゃるとおり、うちの子たちは、転ぶことは山ほどあります。でも、自分で考えながら、転びながら、それでもがんばっています。
ピアノの娘は、高校の休み時間に、とうとう友達の前で弾いたそうです。
ピアノを習っている友達が「習ってないのに、こんなに弾けるの?」と驚いたとか。親の私でも驚くのですから、そりゃあ驚きますよね。
スポーツ推薦で入った、運動しかしてこなかった娘だと、友達もみんな知っていますから。
そうしたら、ピアノを習っている子も、刺激を受けて練習をがんばるようになったそうです。
しかも「1月の音楽の授業の発表会で、一緒に連弾しない?」と誘ってもらったんです。
人生初の連弾です(笑)。
放課後に楽譜を買いに行って、二人で曲を選んで、また練習づけの毎日です。
むずかしい曲を選んだので、大変に決まっているのに、本人はにこにこしています。
その姿を見ていたのが、長女です。長女はそれまで、アルバイトをしたことがありませんでした。
「すごいなあ、私にはまねできない」と妹を褒めながら、「私も私なりにがんばる!」と言って、生まれて初めて飲食店の面接を受けたんです。
その場で合格して、なんと次の日から5時間働きはじめたんです。
こだわりの強い長女は、帰ってくると、ずーっとしゃべりっぱなしです(笑)。
「掃除の時間が短すぎるんだけど」
「料理の値段が高いお店なんだから、もっときれいにしたいのに」
そして、次の日に面白いことがありました。
前の日、お店のトイレの竜の置物に、ほこりがのっているのが気になった長女は、「今日は絶対に掃除する!」と決めて出かけました。
置物をぴかぴかにしたところ、その日は朝から雨と強い風だったのに、お客さんが次から次へと入ってきて、平日なのに満席になったそうです。
「あれは竜の神さまだったのかな?確かめるために、明日も掃除してみようかな」
と、今日もしゃべりっぱなしの長女でした。
ココまで・・・
いいでしょう~!
妹さんのがんばりを見て、お姉ちゃんまで動き出しました。
一人が「やってみたい」をかなえると、それを見ていたきょうだいも「私も」と動き出すんですね。
子どもの前の道を、ならしていませんか
ここからは、少しだけ重いお話です。
じつは、最初のご報告の冒頭には、ご紹介しなかった部分がありました。
そこには、こう書かれていました。
ココから・・・
いま私のまわりには、学校に行けなくなって、家に引きこもっているお子さんのお母さんが、何人もいらっしゃいます。一人や二人ではありません。
どのお母さんも、子どもが自分で乗りこえなければいけない場面で、代わりにやってしまっていた姿を思い出します。
「スポーツカーは、きれいな道ではかっこよく速く走れるけれど、でこぼこ道で転んだら、大事故になる」
パピーさんから教わったこのお話を、お母さんたちが子どもの前の道をせっせときれいにしているときに、よくお伝えしていました。
同じ時期に子育てをしている仲間として、「こんな子育ての考え方があるんだって」と伝えていたんです。
でも、どの方も変わらなかった。その結果が・・・残念です。
ココまで・・・
この「スポーツカー」のお話を、少しだけ説明しますね。
子どもが転ばないように、親が先回りして、石を全部どけて、きれいな道にしてあげる。
すると子どもは、きれいな道しか走れない、スポーツカーのような子になります。
小さいうちは、それでうまくいきます。
でも、小学校の高学年や中学生になると、親が先回りしてきれいにできない道が、次々に出てきます。
友達のこと、勉強のこと、部活のこと。
でこぼこ道を走ったことのない子は、そこで止まってしまうんです。
ですから、砂利道は砂利道のまま、山道は山道のまま、走らせてほしいんですね。
転んでひざをすりむくこともあります。泥だらけになることもあります。
でも、それはみんな、子どもに必要だから起きていることです。
親がそれを全部どけてしまうと、その時はよくても、子どもは乗りこえ方を覚えないまま、大きくなってしまいます。
子どもが困らないように先回りしてしまうのは、子どもがかわいいからです。その気持ちは、よく分かります。
でも、「それは違うよ」と教えてくれる人がそばにいても、耳を傾けない方は、少なからずいらっしゃいます。
そして、その結果は、何年かたって出てきます。
そのとき、困るのは子どもです。でも、道を選んだのは子どもではなく、親なんですね。私には、それが何よりもつらいです。
だからこそ、お子さんがまだ小さい今のうちに、道をならす手を止めてほしいんです。
子どもの失敗、大歓迎
最後に、ちゃんぐむさんが、こんな言葉を書いてくださいました。
ココから・・・
子どもの失敗、大歓迎。
子どものトラブル、大チャンス♪
子育ては、決して一人でしないでください。
きっと、つながれる仲間に出会えますから♪
ココまで・・・
ちゃんぐむさんも、まわりのお母さんたちに声をかけ、同じように子育てをする仲間と支え合ってこられました。だからこそ書ける言葉ですね。
本当に、そのとおりです。
お子さんが「これをやってみたい」と言ったとき、最初に口から出る言葉は、何でしょう。
「あなたには無理よ」でしょうか。それとも「いいね、やってごらん」でしょうか。
もし前のほうだったとしても、大丈夫です。次の一回から、変えればいいんです。
失敗したら、勉強代。そう思って、お子さんを送り出してあげてくださいね。
ちゃんぐむさん、すてきなご報告と、メルマガへの掲載のご許可を、ありがとうございました。
私がこの23年でお伝えしてきたことは、基本編と上級編の二つの教材にまとめてあります。
どちらを選んでいただいても、私へのメール相談が付いています。期限も回数の制限もありません。
ですから、お子さんが大きくなって新しい悩みが出てきたときも、そのたびに聞いていただけます。
ご興味がおありの方は、下記のリンクをご覧くださいね。
https://utage-system.com/p/WD0lZuOUHG3b?ftid=QjOW5S8TfQKj
お知らせ
(1)11月3日 富山県のお寺さんで講演をさせていただきます。
題名:いじめ・仲間はずれは必ず起きる それでも自信をなくさない子の育て方
日時:11月3日(火・祝)14:00〜16:00
会場:光教寺(富山県南砺市井波1735)
参加費:入場無料(お気持ち制)
うれしいこと:
クレームブリュレと紅茶をお寺さんのご厚意で用意してくださいました♪
親子スペースあり(お子さんの見守りは各自で)
お問い合わせ:光教寺 0763-82-0074
くわしくは:Facebookのイベントページ
https://www.facebook.com/events/1091689070155317/
(2)私と100人の会員さんで作る分子栄養学に関するコミュニティです。
鬱や発達障害、起立調節障害を克服した方もおられます。
会員さんは参加できますので、私までご連絡をください。
それでは、今日も最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。
また、来週、お会いしましょう♪
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子ども達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。














