第629号 褒めるは危険?
こんぱんは。パピーいしがみです。
もう何年前になるでしょう?まだ私に時間がたっぷりあって、非会員さん(講座を学んでおられない方)からのメールにもお返事していた時が有りました。
(今は、会員さんもお待たせするほど、時間が足りなくなってしまった為、お返事は会員さんだけに限らせてもらっています)
その時に頂いた質問に「褒めるの弊害」がありました。
今からかなり前ですが「子供を褒めれば良い子に育つ」のような、とても安易な考え方が蔓延していた時があって、多分、それに対する警告なのでしょう。
「褒める子育ては危険」と言う方もおられました。
「子育ては褒めればいい」という考え方も安直すぎるし、かといって「褒めるは危険」という言い方も・・・間違って認識する人がおられるだろうな・・・、と私はどちらにも危機感を感じていたのですが、
頂いたご質問はまさに「褒めるって危険なのですか?」というご不安の内容でした。
しばらくこのメルマガをお読みの方は、その質問に対して私がどんなお返事をするかって、大体お分かりになると思います(^^)
そう“「褒める」は方法ではなく「考え方」が大事!”なんですよね♪
ですが、今回どうしてそんなお話をしたか?
というと、その時のメールを下さった方が、実はその後講座を学んで、「あの時、メールをしたのは私です♪」と講座を学んだ報告を下さったからなのでした。
私も、びっくりして
「え~!!そうだったんですか~(^^;)」って感じです。
ただ、このところ、こういう質問をあまり聞かないし、あまりお話しする機会もないので、実際のところ「褒める」ってどうなの?
とお考えの方も少なからずいらっしゃると思いまして、いい機会なので、お話しさせて頂こうと今日の題材にしました。
まず、その時頂いたメールとお返事をご紹介します。
ココから・・・
パピーさん、いつもメルマガを読ませてもらっています。
福岡県に住んでいます、2児の母、○○と申します。とても中身の濃いメルマガを本当に無料でいいのかと、毎回恐縮しながら読ませていただいています。
とても参考になるよいお話しがたくさんあるのですが、1つ教えてほしい事が有ります。こんな事をお聞きすること自体失礼とは思いますが、
「褒める子育ては危険である」という内容の本を読んでから、どうにも不安でしょうがないのです。
私はパピーさんの考え方に共感しているので、パピーさんのメルマガが大好きですし、参考にさせてもらっているのですが、
もし今やっている事が危険なのだとしたら・・・と思うと恐くて、何をしたらよいか解らなくなってしまいました。
読んだ本にはこうありました。褒める子育てをしていると、褒められなければ動かない子供になる。
社会では褒められる事などほとんど無い、褒めて育てる子育てをしていたら、環境に順応できるようにならない。
褒めていると、人から褒められる事だけを追い求め、自分の意思を持たなくなる・・・。
だから引きこもりや不登校や家庭内暴力を起すのだ。
です。
そんな内容を読んでから、何をするのも恐くなってしまって。
しばらく悩んでいたのですが、いつまでたっても回復せず、もう、悩んでいるよりもお聞きしてみよう!と思いまして、失礼は承知でメールをさせて頂きました。
(後略)
ココまで・・・
世の中には、いろんな情報が交錯しているので、本に書かれている活字を見たり、著名な人の言葉を聞くと、
「え!!そうなの?」「どうしよう???」のように感じてしまうと思うのですが、簡単に確かめる方法があるんです。
私はこんな風にお返事しました。
ココから・・・
○○さん、こんにちは。パピーいしがみです。メール拝見しました。
ご自分が正しいと思っている事を真向から否定されたり、それが活字になっていると、どうしても不安になりますよね。そのお気持ち、良くわかります。
○○さんは、今、本に書いてあった内容を読んで、「褒める」に対して恐怖を感じているようですが、今までメルマガを参考に「褒める」はして下さっていたのですね♪
とすると、まず確認してほしいのですが、「褒める」を意識する前と、意識してしばらくした今と、子供たちの様子や家庭の雰囲気はどうでしょう?
いかがですか?悪化していますか?ギスギスしていたり、いがみ合ったりしているでしょうか?
もしそうではなく、ほんの少しでも雰囲気が丸くなっていたり、笑顔が増えていたり、楽しい発見が有ったとしたら、それは「褒める」が良い結果を残している、と言えると思うのです。
書かれていた本の文面には、作者の意図があるでしょうし、いろんな家庭が有るので「そんな事はない」とは言いませんが、まずご自分のご家庭で試してみた結果が良かったとしたら、
○○さんのご家庭では「褒める」が良い方向に向かうんだ、とお考えいただいて間違いないと思います。
ただ、頂いたメールにあったように、
“褒められなければ動かない子供になる。社会では褒められる事などほとんど無い、褒めて育てる子育てをしていたら、環境に順応できるようにならない。
褒めていると人から褒められる事だけを追い求め、自分の意思を持たなくなる。だから、引きこもりや不登校や家庭内暴力を起すのだ。”
という事は絶対ないか、と言ったら「絶対にない」とは言えないと思うのです。
こういう事ってよくあると思うのですが、何事も使う人によって、プラスにもマイナスにもなるんです。
これはちょっと極端な例ですが、ノーベル賞の名前の由来にもなったアルフレッド・ノーベルは、ダイナマイトを発明しました。
ダイナマイトは硬い岩盤を砕く事ができたので、当時の手作業を大きくしのぐ画期的な作業効率をもたらしました。
ところがその発明は、同時に軍事兵器としても使われ、たくさんの人の命を奪うことになってしまったのです。
「方法」って使い方次第で良くも悪くもなるんです。
人を喜ばせ、希望を与え、元気、勇気、成長、団結、協調、笑顔・・・になれるはずの言葉も、使い方次第では、マイナスにだってなるんですね。
だから「方法」としてではなく「考え方」が大事なんです。
もし親が非常に厳しい躾をし、自分の意にそぐわない事を叱責し、「私の言っている事だけを聞きなさい」として
親に従順にしていた時だけ褒めるようにしていたら、(大人しい子、反発のできない子だったら)自分の意思を持つ事をしなくなるかもしれません。
そうなるといろんな問題が生じるでしょう。
でも、子供とは言え、人を意のままに操ろうとする・・・としたら、これは・・・洗脳・・・ですよね。
「人を育てる」事(子育て)ではないような気がします。
「人」を育てるとしたらやはり、ひとりひとりの心や感情も一緒に育てたいと私は思います。
心や感情が成長すれば、自分なりの考え方を持つようになります。そうなった時、親とは違った選択、親とは違った判断。親とは違った行動があっていいはずなんですね。
だから「褒める」をただの方法としてやみくもに使うのではなく、まずは、ご自分の考え方を持った上で使ってほしいんですね。
(でも、使い方を間違えれば必ずムリが生じます。その時は、問題が出てきますからすぐに解ります)
それと・・・私が「褒める」を奨励する理由はもう一つあります。
それは、子供たちとお母さんの関係を良いものにしてほしい、という気持ちからです。
先ほど、私は「使い方」をお話ししましたが、「褒める」を意識してみると、如何に私たちに「良いところを見る力」が育っていないかが良くわかります。
(褒めるネタが尽きてしまったり、いつも同じ事を言ってしまうようになると思います)
実は私たちって「悪いところを見る」事ばかり練習させられてきているからなんです。
「良いところを見る」に慣れていないんですね。
例えば、小学校の勉強では「苦手教科を頑張りましょう」とか「間違ったところを探して直しなさい」とか言われましたよね。
テストでも間違っているところに×をもらい、×が多いと次に進めなかったり評価を下げられてしまいました。
私たちは成長期に、そのやり方をみっちりしこまれています。
又、社会に出て仕事をするようになってからは、「業務改善」などとして悪いところを探してそれを直すように指示されたと思います。
QC(クオリティコントロール)なんて言葉も、お聞きになった事があるのでは?と思います。
私たちが育つ上でこのように「悪いところを探す」と言う作業が、もう何百回、何千回って繰り返されているんですね。
だから「悪いところを探す」ベテランになってしまっているんです。
でも「いいところを探す」は、ほとんどの方が練習していません。
ですから、ほとんどの方が初心者です(^^)。先ほどの「褒める」を間違った使い方をしてしまうのも、又、その結果だけを見て「褒めるは危険」と決めつけてしまうのも、このせいかもしれませんね♪
又「いいところを探す」練習をしないで、「悪いところを探す」のベテランになってしまった私たちは、こんな傾向も持ち合わせています。
・自分の悪いところを見て、いつも自分を卑下してしまう。
・せっかく嬉しい事があっても素直に喜べない。
・楽しい事があっても笑えない。
・人の視線ばかりが気になる。
実は、そういう方って結構多いんですね。
今まで過ごして来て何の問題も無かった・・・としても、結婚されて、子供ができて・・・
子供からしてみたら、お母さんが無表情だったり、なかなか笑ってくれなかったりすると、子供だって笑えなくなっちゃうんですね。
お母さんのご機嫌が気になったり、萎縮してしまうんです。
でも、私たちって笑顔が好きでしょ(^^)スーパーだって、洋品店だって、銀行だって、みんなニコニコしていますよね。
そしてニコニコしているお店に入りたいですよね♪だれだって恐い顔より、笑顔が好きなんです。
もし、お母さんがニコニコしてくれて、子供たちといい関係がつくれたら、子供たちはどうでしょうね?
きっとのびのびと自分の可能性を伸ばしてくれるでしょうし、たくさんの失敗も、そしてたくさんの成功も経験できるでしょう。
子供たちの未来にはこの「経験」がとても大事なんです。
家庭に笑顔を増やしてほしい。お母さんと子供との間に良い関係を作ってほしい。
その為のきっかけとして、お母さんが子供たちの良いところを見つけ「褒め」て下さる事はとってもいいんですね。
でも、お母さんが「褒める」が苦手で、この「いいところを見つける力」が育っていない場合が多い。
だったらそれを子育てを機会に練習してもらい「褒める」が上手になって、家庭をより明るくしてほしい♪そんな願いもあるんですね。
長くなってしまいましたが、これが私が「褒める」をお願いする大きな理由です。
私は“「褒める」って決して危険ではない”と思いますよ(^^)
ココまで・・・
このようにお返事をしたら、すぐに
「あんな変な質問をして申し訳ありませんでした。でも、おかげさまでとてもすっきりして、自分の中でも結論が出せました」
というメールを頂き、私としては「よかった♪」で終わっていたつもりだったのですが、それから数年後、こんなメールを頂く事になりました。
ココから・・・
こんばんは、パピーさん。講座を始めて半年以上たちましたが、はじめてのメールです。
と言うか実は、ずっと前に一度、お問い合わせをしています。
「褒める子育てって危険なのでは?」とメールをした○○ですが、覚えておられるでしょうか?
あの頃、巷で「褒める事は危険」のようなテレビ番組や、本やさまざまな情報があって、どちらを選んでいいか解らず、ぐらぐらしまっくっていた私は、藁をもつかむ思いで、パピーさんにメールを送ったのでした。
あの時は、会員でもないのに丁寧なお返事をありがとうございました。
今はやっと念願かなって講座を始めさせて頂いて、kyon2というハンドルネームでフォローメールを頂いています。
お問い合わせのメールをした時には、上の子が4歳、下の子が生まれたばかりで赤ちゃん返りが酷く、
そこで「褒めるって危険・・・」と書かれている本を読んだり、同じ様な事を言っている人の言葉に翻弄されて、私自身ノイローゼのようになってしまっていました。
「認める」「褒める」「包む」って大事だよ♪と教え、とても価値のあるメルマガを無料で送って下さっているパピーさんに、
“「褒める」って危険ではないですか?”なんて聞くなんて、当時、精神状態がおかしかったとはいえ、申し訳なくて打ち明けられずにいました。
ですが、勉強をしてみて感じた事を、やっぱりお伝えしたいと思って初メールを送る事にしました。
ちゃんと勉強して感じたのは「もっと早くから始めていればよかった」でした。何より感じているのは、私の気持ちの揺れる事がなくなった事です。
パピーさんにお問い合わせをして、お返事を頂いた時も、気持ちがスーッと落ち着いて、
それまでもやもやしていたのものが、霧が晴れるように目の前が開けた気がしましたが、勉強をすることで、さらに私が安心できるようになったと思います。
それまでは間違う事、失敗する事にとても怯えていました。
長男が難しい子(神経質で潔癖症なところがありました)だったので、失敗したらいけない、問題を起したらどうしよう。
癇癪を起させないように、トラブルが起きないように・・・とそればかり考えていたと思います。ですからいつもピリピリしていました。
でも、勉強を始めるようになってから、私自身が楽になり、子供の多少の失敗でも笑えたり、自分の失敗でもいつまでもくよくよする事がなくなりました。
そうしたら・・・今まで神経質で潔癖症だと思っていた子供が、とても男の子らしく元気になって、細かい事を気にしない、おおらかな性格になってきたように感じています。
以前は、しつこいくらいに手を洗う姿や、「シャツの襟や袖が気持ち悪い」と言ったりする事が気になっていましたが、それも無くなってきました。
私自身、男の兄弟がいなかったので、どうやって子育てをしたらいいのか解らず、不安な事も多かったのですが、
テキストの中には性の事や、お金のことなど、なかなか子供に話して聞かせる事が難しいと思っていた事が書かれていて、きっとこれからとても役に立つと思います。
パピーさんの本は3冊とも持っているのですが、勉強をし始めてから、その本を開くと、今までと違った印象を感じて不思議です。
パピーさんの仰りたい事がビシビシ伝わってくるような気がします。
もちろん「認める」「褒める」「包む」を意識して頑張っています。「褒める」の大切さを十分に体験し、体で感じていますので、今は“褒めるって危険じゃない!”って胸を張って言えます(笑)
ちなみに今は、他の育児書を開く事が無くなって、あれだけ持っていた育児書は全て○ックオ○で売りました。
インターネットで育児や子育てについて夜な夜な検索することも皆無になりました。今はすご~く楽です。
子育ての不安やストレスが全くなくなって、それこそ笑いたい時に笑えるようになりました。(昔は笑顔がひきつっていました)
そして昨日、私の誕生日に息子(小学校3年生です)が、カレーを作ってくれました。テレビのCMを見てやりたくなったんだそうです(笑)
私がひやひやして手を出そうとすると、「お母さんは座ってて!!」なんて言われて・・・。
カレーと一緒に手紙を渡されて・・・。お母さん、いつもご飯を作ってくれてありがとう。いつまでも長生きしてね。大好きなお母さんへ・・・。
たった2行の手紙でしたが、感動して泣きました。今朝も朝からちらちら見ては、うるうるしています。この手紙はきっと一生の宝物になると思います。
報告なのか、感想なのか解らなくなってしまいました。文才が無くてすみません。
これからも楽しく勉強させていただきます。
きっと子供が思春期になるころには、今は想像もつかないような悩みが生まれるかと思います。その時にはどうぞ、お力をお貸しくださいね♪
気温の変化が激しくなりました。お体を大切にお過ごしください。
感謝をこめて・・・。kyon2より
ココまで・・・
頂いたメールに、息子さんの神経質、潔癖症が治まってきた、とありましたね。
それを見て、きっと家の中の雰囲気が変わったんだな~♪と感じました。
特に“子育ての不安やストレスが全くなくなって、それこそ笑いたい時に笑えるようになりました。”
とあった部分には、今までいろんな不安やストレスや心配事があったけど、それがかなり改善されたんだな・・・と思いました。良かったですね(^^)
でも息子さん、すごいですね♪3年生でもカレーが作れるんですね(^^)
きっと何とも言えない感動の味だったと思います♪
そして母の日のプレゼント・・・嬉しいじゃないですか?
「お母さん、いつもご飯を作ってくれてありがとう。いつまでも長生きしてね。大好きなお母さんへ・・・。」
たった2行の短い文章の中に、子供さんと、kyon2さんの良い関係を感じます(^^)
どうぞこれからも今の子どもたちとの良い関係をお続け下さいね。
素敵なご報告をありがとうございます。メルマガ掲載のご許可も、ありがとうございました。
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