第522号 まあるい時間が訪れた
こんばんは。パピーいしがみです。
今日は連休の中日でしたね。今年初めての3連休ですが、楽しまれていますか?
ウチは、真ん中の子(長女)が明日、成人式で、ここ1年ぐらいは、振袖を選んだり(もちろん貸衣装です)小物を揃えたり、美容院を予約したり・・・そわそわしていました。
きっと明日は朝から運転手で連れ回されるんだろうな~(笑)
でも、両実家でも初めての孫の晴れ着姿を楽しみにしているので、親孝行!と思って頑張ってきます♪
さてさて、今日ご紹介するのはロロリンさんからのメールです。
皆さんから頂くお子さんに関するお悩みは、大きく二つに分かれます。
一つは、おとなしすぎて・・・。というご心配。もう一つは、乱暴・きかん坊・言う事を聞いてくれない、というお悩みです。
今日はその後者についてご紹介したいと思います。
ロロリンさんのお子さんは、小さいころから癇癪持ちで、自分の思い通りにならないと暴れ、あたりかまわず当たり散らし、友達にも乱暴をするし、どんなになだめても落ち着かせようとしてもだめ。
幼稚園でも何度も呼び出され、小学校に上がっても先生から苦情を言われ、ご両親に相談すると「あなたが甘やかせたらから」市の育児相談では「愛情が足りないのでは?」と言われて、
「もう、どうしたらいいのか分からない・・・」というご相談でした。
でも、私は聞いていて思ったんです。「あ、私の小さいころ、そっくりだ!」って・・・。
でもね、今は「まあるい時間」が訪れているそうですよ(^^)
それではご紹介しますね。まずは、私のお返事からです。
ここから・・・
ロロリンさん、こんにちは。パピーいしがみです。
メール、拝見しましたよ~♪
子供さん、とっても活発なようですね。でも、ちょっと幼稚園でも小学校でも手を焼いているみたい。
でもね~。私は、こういう子、大好きなんです。まさに私の小さいころ、そっくりです。
でも、私の小さいころって言うのは、けっこう周りにも、子供らしい子供・・・と言いますか、
手当たり次第に当たり散らしたり、頻繁にけんかしたり、高いところから飛び降りたり、調子に乗ってはしゃぎすぎたり、
何にしても自分でコントロールできずに周りに迷惑を与えてしまう。という子はとっても多かったと思います。
ただ、今はおとなしい子がどんどん増えて、活発な子は減っていますので、目立っちゃうんですね。(^^)
そうなるとお母さんが結構大変で、周りの人から変な目で見られたり、経験の多くない若い先生からは苦情をもらったり、「ご家庭でもきちんと躾けてください」なんて言われちゃったりするんです。
でもね。子供達は大人じゃないんです。
すべてを自分で制限できたり、コントロールできる方がおかしいです。これから十数年かけて大人になっていくんですから、生まれて数年の今、それができなくても良いんですね。
又、「あなたが甘やかせたから」とか「愛情が足りないのでは?」というのは、多くの方の仰る常套句で、的はずれな場合が多く、状況も把握せず、結果だけを見て、無責任に発しているという事も多いんです。
又、過去の事をいまさら言っても始まらないわけで、その方々の言葉で「私のせいだ」なんて思ったり、ご自分を責め続けたりする必要なんて全くありません♪
子供にはそれぞれ、持って生まれた性格があります。
誰もが成長しながら、そんな性格を自分で把握して、「こうした方がいいな」「こうしてみよう」って自分でコントロールできるようになるんです。
ね~。そうやって考えると、確かに今は手がかかるかもしれないけど、全然問題ないんですよ(^^)
ただ、私が、ロロリンさんのメールを拝見して感じたのは、周りの方々に言われる言葉で「なんとかしなきゃ」と、かなり強くお感じで、
それが子供さんを縛ってしまっているかも?と・・・そんな風に感じるんです。
どうでしょう?ロロリンさん。
先生に呼び出されたり、問題が起きる度に、「金輪際、絶対にやったらダメ!」のように言われていませんか?
又、言い聞かせようと何度も何度も、時間をかけて説明したり「今度やったら・・・」のように恐怖で縛っていたり
「分かった、もうしない」と自分の口から言わせよう!とは、していないでしょうか?
そして、同じ事が起きる度に、「この前、約束したのに!どうして分からないの!!」なんて言われていないでしょうか?
もし、そうだとしたら・・・実は逆効果なんです。
幼稚園や小学校の先生から苦情が来る、そんな時には、子供はもう幼稚園や小学校の先生から、きっちり叱られてきているんですね。
で、お母さんがその事実を先生から聞かされて、又、子供を叱る。それも、幼稚園や学校で叱られた時よりも強く叱られるわけです。
幼稚園や小学校で叱られると、当然、その子の自尊心は低下します。「僕、また叱られた。僕はいけない子なんだ」って思いますよね。
どんなに元気な子で、打たれ強そうに見えたって、内心は傷ついているんです。そんな気持ちで家に帰ってきて・・又、叱られる。
「金輪際、やったらダメ」「もし、今度やったら×××・・・」そう言われて、さらに「また叱られた。僕はいけない子」という気持ちを強くしていきます。
それに前にも注意した事がある事だったりすると、輪をかけてお母さんの攻撃がエスカレートしたりして・・・
「この前、××の時にも言ったでしょ」「あの時、もう絶対にしない、って言ったくせに、なんで同じ事を何度もするのよ!何回、同じ事を言わせるの!」なんて、かなり強い口調になっちゃって・・・
すると、子供は「どうせ、僕なんて・・・」とか「僕はバカだから・・・」のように、怒られないように『治す』どころか、『僕には治せないんだ』という気持ちが強くなってしまうんですね。
『僕には治せない』って思ったら・・・・どうでしょう?
そう。治らないんです。
ね♪「逆効果」という意味が分かりますよね(^^)
でも・・・逆効果・・・なのですから、今までと全く違ったやり方をしたらいいんです。
子供達は叱られれば叱られるほど、自己評価を低め、自尊心を失い、前向きな姿勢から後ろ向きな姿勢に変わっていきます。
ですが、反対に、褒められたり認められたりすると、自己肯定感を高め、積極的になれます。
例えば・・・
「金輪際、○○をするな!したら絶対許さない」という考えだと、子供が又同じ事をしたとしたら、怒りはマックスに達しますよね。
でも、
「誰でもすぐには変われない。徐々に減らせるように子供と一緒に私も頑張ろう!」と、もし考え、
『以前は、1週間に1度は怒られていたけど、この頃は少なくなってきているじゃない、あたなも、頑張っているんだね』のように言える事ができたとしたら、どうでしょう?
「あ、お母さん、僕の事、ちゃんと見てくれてるんだ!」って思わないでしょうか?
もちろん、これですぐに完璧に、今までの問題がなくなるわけでは有りません。
ですが子供に「なるべく我慢しよう」「直したい」と意識させる事は、私達が口を酸っぱくして、強制して押さえつけるより、ずっとずっと効果があるんです。
子供が「おかあさんが見てくれている、ここはグッと我慢」とか「カチンときたけど、ここで暴れたらダメだ」なんて“自分で意識”すること。
これが「自分を理性でコントロールすること」なんですね。
ただ叱りつけるだけでなく、その子の悪いところがあっても、「良くなっているよ」「頑張っているよ」と変化を見つけて、
伝えてあげる事が、子供が自分をコントールできるようになる、その“きっかけ”になるんです。
ロロリンさんの場合はどうですか?もし、思い当たる所があれば、是非、参考になさってくださいね。
ここまで・・・
それから約1年後、このようなお便りを頂きました。
ここから・・・
パピーさん、ご無沙汰しています。
以前は、ご丁寧にメールをありがとうございました。
パピーさんの「こんな風にしていませんか?」が、まるでどこかで見られているかのように当たっていたので、びっくりしてしまい、簡単なお礼のお返事しかできず、申し訳ありませんでした。
驚きました。なぜ、お分かりになるのでしょう?
パピーさんが仰るように、私は「二度と同じ過ちを犯してはならない」とかなり厳しく、時には叩いてでも・・・。
又、お説教が長くなって子供の態度が悪くなると、怒りがそちらに向かってしまって余計に怒りをぶつけたりしていました。
パピーさんが仰るように「逆効果」だったのだと思います。
今、考えてみると、私が必死になればなるほど、エスカレートして行ったんだ、と思います。
ですが、
『以前は、1週間に1度は怒られていたけど、この頃は少なくなってきているじゃない、あたなも、頑張っているんだね』
これは、私にはできませんでした。
私は弱いんです。私の怒りは私の都合優先・エゴなんです。
同級生のお母さん達に「問題児の母親」「躾のできない親」と見られる事がとても嫌で、先生から呼び出されて注意を受ける事にも強い抵抗がありました。
いけない事はいけない!とはっきりきっぱり、親が強い姿勢で、どんな場面でもすぐに指摘し直す。時には叩くことだって必要!!
そういう姿勢こそが親の取る態度だ!と思ってきた私。
ですが、本当は、そういう姿勢を取ることが、私のエゴを押しつけるにはぴったりだったのです。
ですから、せっかくパピーさんからのアドバイスも、「私にはできない」と決めつけ、自分を変えようとはしませんでした。
他の育児書ではそれ(強く叱る)が良いとされているのだから、子供はきっと良くなっていくはず・・・。
そういう気持ちもあって、私は以前のスタイルを変えられませんでした。
(なので、せっかくのパピーさんのアドバイスも忘れていました。テキストも開く事が減り、講座もストップしたままでした)
ですから・・・結果は・・・パピーさんにはもうお分かりだと思います。改善するどころか、どんどん悪くなるばかりでした。
パピーさんからお返事を頂いて約半年、どんどん悪くなる息子を見て「もうだめだ」「もう、私の(良いと思っている)やり方では無理なんだ」と諦めて、ふと以前頂いたメールを読み返してみたんです。
読み返してみて「私は何も変わっていない」と愕然としました。
こんなに親身になって、そして具体的なアドバイスを頂いていたのに、この半年間、私は自分のエゴばかりを押しつけ、ちっとも素直じゃなかった。
本当に申し訳なく思いました。パピーさんにも、息子にも・・・
この半年、全く無駄に過ごしてしまった・・・。今までの人生の中で、この時ほど猛省したことはありませんでした。
その日から、毎日テキストを読む事をし始め、5章の目標もきちんと考え直し、たった一つだけをカードに書き、
常に持ち歩き、イライラしたり、怒りたくなったりした時には、すぐに見るようにしました。そこにはこう書きました。
「あなたは、自分のエゴを押しつけようとしていないか?」
それを見る度に、はっとします。
「あ、又、エゴを押しつけようとしていた」「あ、又、自分の都合に合わせようとしている」これを1日に何度も繰り返していると、次第に、イライラする事、怒る事が減ってきました。
主人にも「このごろ丸くなったね~」なんて冷やかされたり、子供にも「お母さん優しくなった」なんて言われ始めました。
パピーさんの講座とメルマガとこの目標カードで、私の性格は確実に「変わりつつ」あるようです。
家庭の雰囲気もすごく良い感じになってきました。
私の態度に変化が現れると、これは本当に驚きですが、子供が落ち着いてきました。
おかげで、昔はできなかった「褒める」ことも、上手ではありませんが、少しずつできるようになってきています。
息子も(自分の思い通りにならないと暴る事が、完全に無くなったわけではありませんが)すぐに切り替える事ができるようになってきています。
(もちろん以前は、できなかったのです)
それを見て、私は、「あ、すごい、自分で切り替えられるようになったんだね。お母さんも、○○を見習わないと~♪」なんて、口にすることができるようになってきています。
すると息子は「へへへ~♪」なんて笑って・・・。
同じ事が起きても、以前ならそこから険悪なムードになったのに、今は、まあるい時間が訪れます。
この違いは一体何なんでしょう?驚いています。
今回の件は私にとって大きな転機になりました。
というのは、私は小さいころから「素直じゃない」と言われ続け、中学生、高校生になっても「素直になりなさい!」と言われ、それは、社会人になっても結婚しても同じでした。
それは、私が「素直になれ」と誰に言われても反発していたからです。たぶん、パピーさんに言われたとしても反発したと思います。
ですが、今回の息子の件をきっかけに、私自身のなかで、「できないかもしれないけど【素直】をやってみよう!」と思い、実際にやってみて「素直になるっていいかも?」と思えた事。
これは、30年来の私の悩みを解決する、とても大きな収穫でした。
そして、自分の感じたこの思いはそのまま、子供も感じていた事なんだ、という事が分かりました。
私の言葉や先生の言葉に反発していた息子は、周りから「素直になりなさい」って言われて反発していた、私、そのものだったんです。
いまさらながら、「自分のやってほしくない事をするのを止めましょう。自分がやってほしい事を人にもしましょう」と言われているパピーさんの言葉が身にしみます。
私がそこに気がついて、まだ数か月ですが、確実に違う未来が見えてきています。これからがとても楽しみになってきました。
又、報告させてください。長文をお読み頂きまして、ありがとうございました。
ここまで・・・
ロロリンさん、とても良いところに気がつかれましたね。
“今回の息子の件をきっかけに、私自身のなかで、「できないかもしれないけど【素直】をやってみよう!」と思い、実際にやってみて「素直になるっていいかも?」と思えた事。
これは、30年来の私の悩みを解決する、とても大きな収穫でした。
そして、自分の感じたこの思いはそのまま、子供も感じていた事なんだ、という事が分かりました。
私の言葉や先生の言葉に反発していた息子は、周りから「素直になりなさい」って言われて反発していた、私、そのものだったんです。”
はい、その通りなんですね。
私達は誰かに言われたり、強制されて自分の考えを変える、ということはまず有りません。
自分の考えが変わる時には「そうなんだ!」って納得すること。又は、体験する事が絶対に必要なんですね。
だから、「私は何も変わっていない」と愕然とし猛烈に反省された、とあった半年間も、決して無駄な時間などではなかったんです。ロロリンさんにとって「必要な時間」だったんですよ(^^)
そして、子供さん気持ちはご自分と一緒だったって分かった事。これも本当に大きな気づきだったと思いますよ♪
叱っても叱っても、子供が何度も同じ事をするとしたら、その「叱っても叱っても」がただの雑音になってしまっている、という事がとても多いんですね。
雑音だから耳をふさいでいるだけ。雑音だから「早く静かになってくれ!!」って、頭を抱えてうずくまり、過ぎ去るのを待っているだけなんです。
だとしたら、まずは、子供が耳をふさいでいるその手。まずはその手をどける必要がありますよね。
そしてうずくまった顔を上げ、前を向かせてあげたいです。
それには・・・やっぱり「肯定の言葉」なんです。「あなたの気持ち、分かるよ~」なんて言ってくれたら、
耳をふさいでいる手をどけて、「そうでしょ?もっと聞いてよ!!」ってなりますよね♪。
それに誰でも自分を肯定してくれる人は大切です。
「お母さん、僕の事を分かってくれる」と感じれば、その大切な人を失いたくない、という気持ちから、その人の喜ぶ事をしよう!としだすのですね。
「頑張ってるね」って褒めてくれれば、「もっと頑張ろう!」っていう意識が芽生えるのです。
お返事の中でも言いましたが、子供が「おかあさんが見てくれている、ここはグッと我慢」とか「カチンときたけど、ここで暴れたらダメだ」なんて“自分で意識”すること。
これが「自分を理性でコントロールすること」なんですね。
ただ叱りつけるだけでなく、その子の悪いところがあっても、
「良くなっているよ」「頑張っているよ」と変化を見つけて、伝えてあげる事が、子供が自分をコントールできるようになる、その“きっかけ”になるんです。
子供が「自分をコントロールできる」これが身についてくると、あちこちにぶつからなくて済みます。
自分自身(子供)だって上手に人と接することができるし、不必要なストレスを感じずに済むんですね。
それこそ「まあるい時間」が訪れるんです(^^)
最後に、
“これは、30年来の私の悩みを解決する、とても大きな収穫でした。
私がそこに気がついて、まだ数か月ですが、確実に違う未来が見えてきています。
これからがとても楽しみになってきました。”
とあったのを見て「きっとロリリンさんは大丈夫」「これから楽しい毎日が訪れるだろうな♪」って思っています。
是非、又、ご報告下さいね。楽しみに待ってま~す(^^)ロロリンさん、メルマガ紹介へのご許可、ありがとうございました。
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