第1132号 怒りたくない
パピーいしがみです。
「怒りたくない」「イライラしたくない」「子供に感情をぶつけたくない」そうお考えの方は多いと思います。
また、そんな怒りで心が乱されないように書かれた本もたくさんありますし、
怒りを鎮める為の(かなり高額な)セミナーも数多くあります。
ですが実際は、本を読んでも、セミナーを受けても、なかなか改善しない方が多いです。
というのも、人によってその「怒り」や「イライラ」の原因は多岐にわたっていて、
ご自身の幼少期からの育てられ方や、親の性格、そしてご自身の今までの経験などが影響しているからなんですね。
又、多くの方は「即効性」を求めておられ、次から次へ新しい方法を試したり、いろんな本を読み、セミナーを片っ端から受ける方もおられます。
でも・・・長らく培った性格がそんなに簡単に変わることはまずありません。
私のこのメルマガでも、怒りやイライラが改善された例をご紹介させて頂くのですが、即効性があった方は少なく、やはり意識して積み上げていって、
コップが満たされ、あふれた時に「あれっ?できるようになった?」とご自分の変化を感じる事が多いように感じます。
今日、ご紹介するキキララさんは、ご報告を頂いた内容からは「突然」という印象が強かったのですが、
今までの経過を読み返してみると、これまでの努力が積み重なった上で、一つのきっかけがうまくはまったのかな?と感じています。
キキララさんの今までのご相談内容からピックアップしながらご紹介しますね。
まず以前に頂いたメールにはこんな風でした。(キキララさんには4年生・年長さんの女の子がおられます)
ココから・・・
私は子供たちに「ママはいつも怒ってばっかりいる」と言われてしまいます。
確かに怒ることはとても多いと思います。以前に比べたら褒めることもするように心がけているつもりなのですが、まだまだのようです。
私は双子で同い年の姉がいます。子供の頃、あまり褒められたことがありませんでした。
母は片方を褒めてしまうと、褒められなかったほうが卑屈になると悪いからと、私たち姉妹のことはあまり褒めたりしなかった。と言っていました。
そのためか、人を褒めるというのがどういうことなのかよくわからないというところも正直あります。
子どもを第一に考えてあげたいと思いつつも、自分のことで頭が一杯になってしまうと子供の事を考えてあげられなくなったりもします。
もともと子供と関わるのが苦手であまり好きではなかった私は、子供たちとどうやって関わっていくのがいいのかわからず、
ずっと子供と一緒にいることに苦痛を感じてしまうこともあり、逃げ出したくなってしまったりもします。
ココまで・・・
キキララさんには、幼少期の頃にあまり褒めてもらえなかった、という過去や、
ご自身があまり子供と関わるのが得意ではなかったこと。
2人のお子さんがいらっしゃるので、1人を褒めると「私には褒めてくれない」と言われたり、
アドバイスと思って話をしても「そんな事言われたくなかった」と返って怒らせてしまったり、
「どうせ私はバカだからいつも怒られる」と言って卑屈にさせてしまったり、悩みは尽きない状態でした。
まずキキララさんにお伝えしたのは『川の流れ』のお話です。
私たちは親に育てられ、その親の育て方を見て成長してきました。
私たちにとって参考になるのは、その親の育て方であって「褒める事をしない」育てられ方をした方は、やはり、子供を褒める事はなかなか難しくもあります。
ですが、ご自分がそのように育てられたからといって自分も同じように子育てをした場合、
子供も自分と同じような気持ちで成長し、自分と同じような性格を持って大きくなります。
それは川の流れと同じように、流されるままでいたら河口にたどり着いてしまうのと同じことなんですね。
なので「このままじゃよくない」と気づいたのなら、そこで川の流れに逆らって泳がなくてはなりません。
でも川の流れ(親の影響や自分が育てられた経験)はとても強くて、逆らって泳ぐことはとても大変だし、なかなか前には進めません。
それでも上流に向かって少しずつでも泳いでいくと、自分にも力がついてくるし、水はどんどんきれいになってくる。
そして上流にたどり着いた時には、今までに見た事がない景色が広がっているんです・・・という話です。
これってもちろんファンタジーではなく、まったくの現実で、その為には「継続」が必要ですし、即効性はないのですね。
もちろんキキララさんにも、すぐの変化はありませんでした。
そしてキキララさんご自身も「後悔をして、自己嫌悪に陥り、自分はダメな母親なのだと考えてしまう」と書かれていましたので、ご自分を褒め、それを記載しておくこと。
子供たちも「私の事は褒めてくれない」とひがんだりするようなので、メモ程度でいいから、どんな事を褒めたのか、それを書いてみるようにお願いしました。
又、アドバイスって、本人が答えを求めていない時は「指摘」になってしまう事。
話の腰を折らず、聞いてあげるだけで安心するんですよ、ともお伝えしました。
そしてもう一つ。
「“怒る”って・・・なんの為にするのでしょう? 」ともお聞きしておきました。
私が正解をお話しするよりも、ご自分で考えて頂くことの方が印象に残る場合があります。
そしたら、その後、キキララさんに変化が訪れたんです。
頂いたメールにはこうありました。
ココから・・・
先日メールを頂いた直後から「怒ることの意味」について意識するよう心がけて生活しましたところ、
普段はすぐにイライラしてしまうところがイライラしなくなり、注意する時も穏やかに「〇〇だから~しようね」と言えている自分がいました。
そうすると、いつもは反発する子供たちが素直にお手伝いをしてくれたり、何度も言わなくても動いてくれたりと。
まだ数日しか経っていませんが、自分の接し方で子供はこんなに変わるのか・・・と感心してしまうほどでした。
すごいですね!
体調がすぐれない時はイライラしがちな私ですが、この「怒ることの意味」をしっかりと考えながらこれからも生活していきたいと思います。
ココまで・・・
この時は「これが継続できるといいな~」と思っていたのですが、どうやらその“いい感じ”が続いているようです。
その後、こんなご報告も頂きました。
ココから・・・
その後、嬉しい変化がたくさん起こり、それについてどうしてもパピーさんにお話させて頂きたく、メールさせていただきました。
前回のご相談の際にパピーさんより2つのお願いがありました。
1つ目は褒めメモをかくこと。
2つ目は叱る意味を意識して生活すること。でした。
パピーさんよりお返事を頂いた日から、早速私はこの2点を実践しながら日々を過ごしてきたのですが、
この効果が実に絶大で、メールを頂いてから今まで感情的に子供たちに怒ることがなくなりました。
子供たちと過ごす大半の時間をイライラしながら過ごし、怒らない日などないというほどだった私が・・・すごい変化です!
今は私が長年描いてきた理想のお母さんにとても近い状態で子供たちと接することができていると感じており、日々幸せを噛みしめています。
以前、パピーさんより『川の流れ』のお話をしていただいたことがありました。
それは、川の流れに逆らって泳ぐのはとても大変な事でなかなか前に進まないし、泳ぎ続けることはとてつもなく大変なこと。
でも川の流れに逆らって泳ぐことで、筋力はつき、上流にたどり着ければ、今まで見た事のないような景色を見る事ができる。という内容のものでした。
それをまさに今、実感できていると感じています。今までに見たことのない景色を見ることができています。
今は子供たちが可愛くて、愛しくてしかたありません。
以前の私は子供の帰ってくる時間が憂鬱で、一緒に過ごしていても「うるさいな、面倒だな」と言うことばかりを考えていました。本当にダメな母親でした。
でも、今は子供が帰っくる時間が楽しみで、子供と心から笑い合えることが多くなってきて、
子供たちの喜びが私の喜びになり、毎日が楽しくてしかたありません。
それと同時に、自分の生活も変わってきています。
今まで途中でいつも挫折してしまっていた、家の整理整頓、ダイエットなども面白いくらいはかどり、成果が出てきています。
お恥ずかしながら、相談をさせていただく前の私は、テキストを読んでいても「どうせ私にはこんなすごいことできるわけがない」と考えてしまっていて勉強をすることが辛くなってしまい、あまり進んでいませんでした。
しかし、最近の私はテキストの内容もとてもよく頭に入ってきて、「私にもできるかもしれない♪やってみよう。」などと思えるようになり、今は勉強することが楽しくてしかたありません。
1つのアドバイス、相手が求めているときにそれを届けることによって初めて機能する。
今回の私に起こった変化によってそれを身を持って体験できたような気がしています。
今後、子供たちに接するときもこの体験を活かして、余計なアドバイス(指摘)はしない、
その時が来るまでしっかりと見守り、最善のタイミングで助け舟を出せるように心がけて生活していこうと思います。
いつも親身に相談を聞いてくださり、素敵なアドバイスをして頂いて本当にありがとうございます。
これからも2つの約束を日々実践しながら、子育て、そして自分育てを楽しんでいきたいと思います。
ココまで・・・
キキララさんは今までとても苦しんでこられたので、今の状態が大きな変化で、それを読む私たちも急に変わったように感じると思うのですが、
今までの経過を考えると、今までの積み重ねがコップを満たしたのかな?と感じています。
いままでも細かい方法やお悩みへのお返事もしてきましたが、たった一つの大きな問題が解決したら、そこに付随していた小さな問題が次々と解決に向かっているようです。
こういった「一つが改善すると次々と良い方向に向かう」ことを私は『善循環』とお伝えしていますが、これが始まると、それこそ子育てが面白くなってきます。
今後、この変化が子供たちにどのように表れてくるのか?本当に楽しみです♪
ちなみに以前お送りした内容の中から『善循環』について記載したものがありますので、よろしかったらご覧ください。
【らせん階段のその後に】https://www.age18.jp/back733.html
・・・最後にちょっとお知らせです・・・
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。