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第1219号 「好循環」と「善循環」

こんばんは。パピーいしがみです。

ちょっと前のメルマガで「好循環」という言葉を使い、その時に(あえて善循環とは違う意味で使っています)と記載しましたが、

誰か気づいてくれるかな~?と思っていましたら、KOマミーさんが気づいメールをくださいました。

KOマミーさんも6年ほど勉強をしてくださっていますので私が使っている「善循環」を理解してくださっていました。

ですが多分、多くの方が「好循環」って「悪循環」の逆の意味でしょ。「好循環」も「善循環」も同じことじゃない?って思っておられると思います。

そうですよね。でも私は違う意味で使っているんです。

実は「悪循環」の反対語って・・・当時・・・無かったんです。

私がこの仕事を始めたのがもう20年前になりますが、その時に「認める・褒める・包む」で“「悪循環」と逆の事が起きるんです”と説明したかったのですが、

その時に悪循環の逆の意味を持つ言葉を探したのですが、その時は見つけられませんでした。

ですが当時、月に10冊のビジネス書を読む事を目標にしていて、そこで見つけた「あなたの店が90日で儲かる」という本を書かれた神田正典さんという経営コンサルタントの方が『善循環』という言葉を使っていて、

「これはいい!」と思って私も使わせていただくようになりました。

神田さんは、大きな会社向けの経営コンサルタントではなく、町の電気屋さんとか、お酒屋さんとか、小さな商店や零細企業・中小企業の支援をされていて、小さい会社だからこその工夫を教えて成果を出しておられる方でした。

そういう小さなお店も工夫次第で活気づき、従業員にやる気が沸いたり、お客さんからの評判が高まったり、さらに事業が拡大したり、という

「会社が繁盛しだすと、次々と良いことが起き始める」という事でこの『善循環』という言葉をお使いになっていたんですね。

最初は私も「善循環」も「悪循環」反対の言葉、という意識でいました。

ところが、やっていて分かったのは、「認める・褒める・包む」を子供たちにやっていると、

子供たちの態度や表情、やる気や成績が変わってくるのはもちろんですが、「良いこと」が関係ないあちこちで起きてくる、という報告を頂くようになったのです。

「悪循環・好循環」は、私のイメージで言うと一本のライン上にあるのです。

「こうなると→こうなって→そうなるとこうなるでしょ→結果こうなって→で元に戻ってさらに~」みたいのが悪循環や好循環であり、それは予想がつく事なのですね。

「好循環」をよく耳にするようになったのは(私の感覚ですが)故安倍晋三さんだと思っています。

安倍さんは「アベノミクス」とか「三本の矢」とか言われていましたが「“経済の好循環”を実現し、景気回復の実感を全国津々浦々に・・」ってよく言っていました。

具体的には、企業業績の改善→投資の拡大→賃金の増加→消費の拡大→企業業績の改善・・・と、雪だるまが転がるように経済をよくしていく=「好循環を起こす」とのことでした。

(それができたかどうかは?今の日本を見ると一目瞭然ですが)

「悪循環」も「好循環」も、こうなったらこうなって・・・そうなるとこうなるよね・・・みたいな、関連する循環を意味しています。

なので一本の線でつながって起きる「悪いこと」が悪循環で、その「良いこと」バージョンを好循環っていうのだろうなとは感じます。

それを子供を例にして考えると、態度や表情、やる気が変わってくると、成績が良くなって、学校の先生からの評価が上がったりするのだろうな?と思いますよね。

でも現実はそれだけじゃなかったのです。例えば習いごとの先生や、子供の友達のお母さん、自治会のお偉いさん、など知らない人からおほめ頂いたり。

子供関連だけではなく、自分の職場でも、ご近所でも、またご主人の会社でも嬉しいことが起きたりします。

例えば会社の同僚に「〇〇さんに言われた一言で頑張れた」とか「あの時はありがとうございます」と感謝されたり、そういう『子育て』とは関係ないところでボコボコとうれしいことが起き始める。

それは私が意図したことではなく、会員さんからのご報告で知るのですね。「私の周りが変わったんです」って。

「好循環」「悪循環」が一本の線上にあるのとは違い、「善循環」は面の上で同時多発的に起きるのでした。

そんな「関連のないところで嬉しいことが起き始める」のを、私は『善循環』とお伝えするようになりました。

ですが、なぜそういう事が起き始めるのか、考えてみると実はこれがすごく理にかなっていて今日はその説明もしたいな、と思うのです。

私のこのメルマガも講座も、「幸せなお母さんになる為の子育て」ですよね。そして会社名も「(株)幸せなお母さん」です。

(銀行では一発で覚えられ、「何をやっている会社ですか?」って必ず聞かれ、ちょっと恥ずかしくもあります)

メルマガも書かれている内容は子育てに関連することが多いのですが、私は決して「良い子育てをして『いい子』を育てましょう」と言っているのではないんですね。

私のコンセプトは「お母さん、あなたが幸せになるんですよ!」なんです。

私達は、誰もが自分に興味があります。でも自分の事ばっかり言っていると周りからは嫌われます。(なぜなら人は他人の事なんて興味がないからです)

ところが、逆にこちらが相手のいいところを見つけ、それを伝えたり、その人が一番興味のある「私(相手の人)」について話しをしてあげる(善を与える)と、めちゃめちゃこちらの好感度が上がるのです。

それを子供で練習するのが、この「幸せなお母さんになる為」のコンセプトなんです。

子供は素直に反応してくれます。それにもちろん命令したり叱ったり「言う事聞け」と強制するより、素直な気持ちの中で子供が理解してくれれば、子供が自分で選んで自分から行動するようになります。

それが最も効率的ですし、建設的。本人が選んでやっていればわだかまりも何も起きません。良いところを見つけ褒める、「善」を与えるだけで子供はもっと褒められようとしだしたり、さらに高まる自分の評価に喜びを感じたりするのです。

お母さんが「認める・褒める・包む」をご自分のお子さんに向けて練習することで、子供は自発的に良い方向に向かうし、ご自分はこれらのスキルが上がる。

それを子供だけでなく、お父さんにもすれば、家庭では子供にも、お父さんにも伝染して、家族みんなが良い精神状態でいい方向に向かうのですね。

すると、そうやって与えてもらった人は今度は「返そう」とします。

「認める・褒める・包む」をしてもらった子供達、ご主人は、お母さんにもそれを返そうとしますし、友達にし始めたり、会社で同僚にし始めたりします。

なので、全く関係ない・・・例えば、ご主人の会社で後輩に慕われたり、ご主人の課や係の成績が上がったり、また、それが理由で昇進したり・・・というご報告もとても多いのです。

過去のメルマガでも記載したことがありましたが、「認める・褒める・包む」をしていたら、子供がそれができるようになって、

学校でも自然に友達のいいところを見つけ、褒めてあげられるようになって友達から大人気。先生からも「どうやって育てられているんですか?」って聞かれた・・・なんてご報告も本当に多いです。

今、ちょっと話に出ました『与えてもらった人は今度は「返そう」とする』ですが、これって『返報性の原測』と言って、人間の心理でもあり、実は多くのマーケティングで使われています。

例えば、「初回無料」とか「サンプル」などもその例ですし、スーパーなどでも試食をすると「買わなきゃ悪いかな」っていう気にもなりますよね。

薬の訪問販売で、親身な身の上相談に乗ってもらって「じゃあ、一つ買うわ」なんてこともありますよね。

こんな風に「与えてもらったら返したい」という気持ちは、私たちには誰でもあるし、与えてもらった喜びは自分も与えたい、という気持ちになるんです。

でも、これって逆もあって、与えられた憎しみや恨みも「いつか返してやる」とも思うのです。

子育てなんて最たるもので、叱責・命令・強制でずっとやってしまうと、子供の気持ちの中には不満がどんどんたまって、子供が親よりも強くなった時、その不満を一気に爆発させます。

家庭内暴力とか、親子の立場の逆転とか、親が子供に・・・なんて、ニュースでもよくありますよね。

与えるものが「善」であれば「善」が返ってくるし、「悪」であれば「悪」が返ってくる。

もうそれは明白なのですから「じゃあ、善を返してもらう事をしましょうよ。そうすると子供や家庭は善であふれるし、あなた自身にも善が返される。そちらを選びましょう」というのが根本にあります。

それと・・・もう一つ。これは伝えておきたいなと思うのですが、私の父はとても厳しい人だったというお話はしてますよね。

そして私は中学からグレはじめ、高校ではまあ悪かった・・・とも。

これって父親への復讐だったのですが、(その時は分からなかったのものの)最も被害を受けていたのは母だったのです。

私が学校に呼び出されるたびに学校に来て頭を下げ、他人に迷惑を掛けた時も、そのお宅まで行ってお詫びをしたのは母でした。バイクで事故を起こした時も尻拭いをしてくれたのは母でした。

中学~高校卒業までの6年間。私は母に迷惑を掛けっぱなしでした。

卒業して「結局、俺は父への復讐のつもりだったけれど、母に辛い思いをさせていただけだった」と知った時、「こんなことはもうやめよう!」とすべてを絶ったのです。

悪い友達。暴走行為。麻雀・パチンコ・タバコもそこでバッサリやめました。

そして「これからは、母が喜んでくれることをしたい」と本気で思ったんですね。そう。私の仕事で「多くのお母さんが幸せになってほしい」と願うのは母への懺悔の気持ちもあるんです。

私の父がとても厳しかったとは言いましたが、それに加えて非常にわがままで頑固、気分屋で感情の起伏が激しい人した。それは育てられた環境にもよると思います。

父は少し大きな家の生まれでしたが、そこで最初に生まれたのが女の子。次は・・・と期待されながらも、また女の子。(もう90年以上も昔の事です)

そこで父の親、そしてそのご両親は男の子の養子をとることにしました。そしてその子を長男として育てる事にした直後に生まれたのが私の父でした。

初めて生まれた男の子はそれはそれは可愛がられたそうです。

二人の姉も弟を過剰にかわいがり、親も甘やかしに甘やかして、養子の長男さんは中学を出て家を継ぐべく働かせたのに、父は蝶よ花よと育てられて、師範学校(大学)まで行きました。

大学を卒業すればすぐに学校の先生として赴任。アルバイトもしたことがありません。

結局、一度も社会にもまれる事なんてなかったんです。保護者からは「先生、先生」とあがめられ、また若いころはルックスもよく、女性にもモテたそうです。

母は、積極的な性格もあり、端正な顔立ちのお坊ちゃん育ちの父を好きになったんでしょうね。押しかけ女房的な感じで結婚したと聞いています。

でもそれは「惚れたものの弱み」もあり「結婚してもらった」という意識があったみたいです。その後の母はずっといばらの道をあゆみました。

父の実家でも相当いじめられたみたいです。そして父はわがままで頑固。

機嫌が悪いと話もしない。そんなだから母は故郷にも帰れず、母の母(私のお祖母ちゃん)が亡くなった時には大号泣で、あれほど泣いた母を見たのは、生まれて初めてでした。

その後も1年に1回、お盆の時だけは実家に子供(私達)を連れて帰りましたが、父が不機嫌にならないように朝昼晩の3日分の食事を作って、

父の着替えなども用意して万全で故郷に帰りましたが、それでも父は機嫌が悪く、家に帰っても1週間は口を利かない・・・という人でした。

母が私たちに言ったのは「あなたたちが結婚したら、いつでもお嫁さんを実家に帰らせてあげて」という事と「私が死んでもあちら(父の家の墓)には入れないで」という二つでした。

父が亡くなって、父の姉が訪れた時「あっこさん(母はあきこといいます)、あなたにはいろいろ迷惑かけたけど、これでチャラにしてね」と言い、

それを横で聞いていた私は「母は何も言わなかったけど、相当辛く、我慢を重ねた人生だったんだろうな」と感じたのでした。

母は今、認知症がかなり進み、施設に入っていますが、それでも毎日穏やかでニコニコして過ごしている、と担当の方には聞いています。(「今はとっても幸せだ」と言ってくれていると)

私の母への懺悔はもうそろそろ終わりを迎えるだろうと思っていますが、そんな気持ちから始まったこの「幸せなお母さんになる為の子育て」。

おかげさまでたくさんの喜びの声を聞けて、ご報告を頂くたびに「あ~、よかったな~」と胸をなでおろします。

今日はすみません。なんか思い出話が多くてあまり役に立たなかったかもしれませんが、最後にいくつか「善循環」を感じてくださった方々のご報告をご紹介して、今日は終わりにしますね。

「良いことが同時多発的に起きる」それが【善循環】ですよ!とお伝えしたかったのでした♪

最後までお読みいただきましてありがとうございました。(あ、これが最終回という事ではないので、ご安心を(笑))

第1115号 善循環の先に
https://www.age18.jp/back1115.html

第224号 我が家は善循環?
https://www.age18.jp/back224.html

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パピーいしがみ 人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。

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