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第1220号 英語なんて嫌い!

こんばんは。パピーいしがみです。

「英語」。学び始めた子どもにとっては、とっつきにくく、また、覚えることが多くて楽しくないかもしれません。

でも英語って私は「個人を(経済的に)豊かにする学問」だと思っていて、今日はそのあたりをお話ししたいと思います。

大人の方には、ちょっと不安になっちゃうことを言うかもしれません。

でも本当の事なので知っておいてほしいし、子供達には今の状況を知りながら正しい判断をしてもらいたいので、正直に現状をお伝えしたいと思います。

(国が公表せず、あまり私たちの耳に入っていないお話もします)

これってSOMさんが息子さんから言われた言葉にうまく返事ができなくて、返答の仕方を私に相談されたことから始まりました。

SOMさんの息子さんは中学1年生。急に難しくなってきた英語の勉強に「もうやりたくない」状態だったのだそうです。

そして息子さんは言ったのです。

「これからテクノロジーがもっともっと発達して、翻訳機がさらに進化すると英語なんか知らなくてもいい時代が来る。だったら英語を勉強することなんて無意味なんじゃないの?」って。

SOMさんは「何言ってるの!英語だって主要教科なんだからちゃんと勉強しなさいよ!屁理屈言ってる時間があったら、その間に宿題やればいいでしょ!」と返事したそうです。

でもそんな返事をしながら「この言い方じゃあ、全然やる気にならないよな~、もっといい言い方はあるのだろうけど・・・」とも思ったのだそうです。

そして私に「こんなこと言ってるんですけど、どんな返答の仕方があったのか、教えていただけませんか?」とご連絡を頂いたのでした。

私はお話を聞きながら「勉強をさせる」という意味での返答ではないけど、今の日本の現状と、今後のメリットを教えてあげると、やる気になるかもしれないな~と思って、こんなお返事をしたのです。

私自身もだんだん熱くなっちゃって、かなり長文になりました。
まずは私のお返事から紹介しますね。

ココから・・・

SOMさん、こんにちは。メール拝読しました。

息子さんの言葉。

「これからテクノロジーがもっともっと発達して、翻訳機がさらに進化すると英語なんか知らなくてもいい時代が来る。だったら英語を勉強することなんて無意味なんじゃないの?」

それを聞いて私は、「お~!自分で考えたの?すごいじゃん!!」って、もう絶賛でした。

こんな風に、今当たり前にやっている勉強や宿題に「なぜ?」って考えることができるってことが本当にすごいのです。(多くの子は、ただ流されて、点数が良かったとか、悪かったと見るだけだからです)

「これからテクノロジーがもっともっと発達して、翻訳機がさらに進化すると・・・」なんて、今の技術革新の事も耳に入っているのかな?広くアンテナを広げているとしたらそれも素晴らしいことです。

ただ一つ訂正するのなら「さらに翻訳機が進化すると、英語を知らなくてもいい時代が来る」のではなく、

進化するからこそ英語を知っていると得られるメリットが明確になるので、このお返事ではそのあたりをSOMさんにも知っていただきたいし、

息子さんが読んでもわかるように書きますので、SOMさんの理解が難しかったら息子さんに直接読んでもらうようにしてみてください。

まず、現状の日本を説明したいのですが、GDPっていう言葉はご存じでしょうか?『国内総生産』と言われますが、これは国の経済的な活動の指標になっています。

今の日本は世界第3位のGDPを誇っています。本当はアメリカに次いで2位だったのが2010年に中国に抜かれて3位になりました。

それでも「第三位!立派なもんじゃん!」と思いますか?(多くの日本人はそう思っています)

でもこれを一人当たりに換算してみると(1人当たりGDP)日本は
2021年では世界で27位でした。すぐ上にはアラブ首長国連邦(UAE)があったり、すぐ下に韓国が位置していたりしていました。

公表されているのは2021年までの指標ですが、2022年はどうか?というと、たった1年で27位だったものが35位まで落ちているんです。

じゃあ、他の国は?と調べてみるとアラブ首長国連邦(UAE)は7位に上昇。韓国は24位。(どちらの国にも抜かれました)

では35位の周辺にある国は・・・スロベニア、リトアニア、キプロス、チェコ・・・。う~んですよね(笑)

『GDP世界第三位』ってテレビなどでも報道されますし「日本ってまだまだすごいよね」みたいな風潮がありますが、この一人当たりGDPを見てみると、決して経済大国ではないことが分かります。

むしろ経済大国どころか、発展途上でもなく、もちろん先進国などとは全く言えず、世界的にも珍しい「後退国」と言ってもいいかもしれません。

それに日本は長くデフレが続いていて、物価も安いし、給与も世界と比べてとっても低いことが分かっていますよね。

それと今、日本では老人が増えて若い人が減っています。年を取ると働けなくなってしまうので、働ける人がその国の経済を担っています。

現実的に働ける人がどれだけいるか?は、とても大きな意味を持つのですが、この現実的に働ける人の事を『生産年齢人口(16歳~64歳)』と言って、その数を調べてみると、

日本が最も力があった1995年をピークにして、どんどん減り続けているのです。

1995年のピーク時の生産年齢人口が8700万人以上だったのに、2022年1月のデータでは7500万人でした。1200万人分減っているんですね。

そして(これは統計的に確実な事なのですが)今、中学生の息子さんが働きだす2030年頃には6700万人ほどになってしまう事が分かっています。

そして今のままだと、この2022年から2060年までに、さらに3000万人が減るのです。

(だから今すぐやるのは子育て支援だ!子供を産んでもらえる環境を整備することだ!って私は思うのですが・・・政府はそれほど真剣には考えていないみたいですよね)

多分、今後も医療分野は進みますので、日本の人口は生産年齢人口が激減するのに対して、急激な人口減少はそれほど起きない。

すると、一人当たりGDPはさらに低下しますので、そのころには全世界の50位以内にいてくれるか?もしかしたら100位ぐらいになるかもしれません。

そこで・・・です。

実はすでに英語のできる人はやっています。

物価が安く、給料の低い日本で働くより、海外で働いた方が給与もいいし、個人の価値を認めてもらえるのではないか?と、今、海外に就職先を求める人が増えています。

これは調べてもらうとすぐにわかりますが、日本で総支給30万円だったサラリーマンがオーストラリアに渡航して転職したら月に60万円を得るようになり、1か月の貯蓄が30万円ぐらいできるようになった・・・とか。

日本で20万円に満たなかった美容師(美容師さんは夜遅くまでカットの練習やデザインの勉強をしたり、お昼も満足に取れなかったりしています)が、シンガポールでは月収75万円、年収900万円を超え、勤務時間も短くなって、充実した毎日を送っている・・・とか。

日本の回転寿司の従業員で、月の手取りが20万だった人が、アメリカのすし店で働き、年収が1千万円を超え、今度は自分の店舗を作って、今やオーナーとしてバンバン儲けてる・・・とか。

この差ってすごいと思いませんか?特に日本人は、手先も器用で仕事が丁寧で美しく、性格も真面目で誠実、その上思いやりがあって清潔・・・という事で大人気なのだそうです。

もし技術も一緒に持って渡航したら・・・夢が広がりますよね。海外の人の上に立つことも決して難しくはありません。

それに海外で新しい技術を学んで(テクノロジーでは日本はまだ遅れ続けるでしょうから)それを日本で展開しても良いと思います。

そして今はズームやスカイプで世界中の人と話せるように、テクノロジーがさらに進めば、海外の企業に就職して、日本に住みながら技術者ではなく指導者として活躍する・・・という事もできるかもしれません。

これからどんどん貧乏になっていく日本。その上税金も上がり、年金の支払いも高くなるのに、自分たちの老後は保証されない。

そんな日本に住み続ける若者たちは、どうしたって年齢が高まるごとに希望を失っていくでしょう。

でも英語ができれば、海外に行って、自分のアイデアと技術で、日本では狭かった可能性が爆発的に広がるのです。

だって、日本語を使う人は世界中に約1.3億人しかいませんが、英語を使う人は世界中に17.5億人もいるんです。簡単に考えても様々なチャンスは13.5倍になるわけです。

仮に2倍だとしてもすごいことですが、これが13倍以上も違うとしたら、もうこれって異次元の世界ですよね。

その時は相手とコミュニケーションと取るとき、翻訳機を使うより「生の会話」の方が良いと思いませんか?

はい。でました。先ほどの「進化するからこそ英語を知っていると得られるメリットが明確になる」の部分の理由ですが、とても興味深い話があるんです。

私もこれを知って驚きましたが、コミュニケーション上で言葉の役割って、なんと7%しかないんだそうです。これを「メラビアンの法則」と言います(是非調べてください)が、

私たちのコミュニケーションって、言語情報が7%、非言語情報が93%となっていて、この非言語情報には、声の質や大きさ・話すスピードを含む「聴覚情報」と、

見た目・表情・視線を含む「視覚情報」の2種類があり、視覚情報がコミュニケーションにおいて約55%と半分以上の影響を与えるのだそうです。

例えば、機械から流ちょうに言葉が出てきたとしても、こちらの言っている意味が分からない人と、カタコトであっても自分の言葉で話をして、私たちの話に真剣に耳を傾ける人なら、どちらに好感を持ちますか?

きっと多くの人が前者ではなく後者を選ぶと思います。私なら間違いなく後者です。

なぜなら、私たちは「感情がある」からです。どんなにテクノロジーが発達しても、いえ、テクノロジーが発達するからこそ、機械にない『感情』が判断の基準になるのですね。

これが「翻訳機が進化しても、英語を知らなくてもいい時代がくる」ことにはならない理由なんです。

あ~。簡単に説明するつもりが難しくなっちゃった。すみません。

そこで本題に戻りますが、日本と世界がこれだけ差が広がってしまった現状と、テクノロジーの進歩で世界がとっても近い場所になったこと。そして海外にはものすごいチャンスが転がっている事。

それらを総合して、私は思うのです。

“『英語』は学校で教えてくれる教科の中で、唯一、収入や人生設計に直結する学問だ“って。

国語も、数学も、物理も、生物も、化学も、音楽も、体育も、図画工作も「それが収入(給与)や人生設計に関わってくるか?」と言ったら「う~ん。無いとは言わないけど、ほんの一部だろうな」と答えます。(その分野で突出した学者や教師等)

でも英語だけは、それを知っていると知らないとでは、雲泥の差なのです。知っていれば確実にそれが収入になるのです。

例えば、タレントの出川君を見ればわかりますが、彼の英語の知識はほぼ小学生以下だと思います。それでもあのレベルの英語とゼスチャーでも伝わるんですね。

もちろん仕事に使うには、もっと単語や話し方を知らなければなりませんが、中学までの英語がそこそこ習得できれば、あとは現地で学べばいいんです。

(逆に言うと、中学英語ができないと、海外に行く勇気さえ出ないでしょう)

息子さんが中学生1年生という事でしたね。

簡単に言って『英語は金になる!』『今覚えている単語、1つが千円、センテンスが一万円の価値がある』と思うと、なんだかやる気にならないでしょうか?

私だったらこんな話をしたいな~と思うのですがどうでしょうね?

それと最後にこれはSOMさんへのお願いなのですが、もし子供たちが「英語」をやる気になったとしても、完璧を求めないでくださいね。

というのは“学校で教える英語=すぐに使えるものではない”からです。残念ながら日本ではこんなに英語の授業があるのに、優秀な成績で学校を卒業してもそれを使えるって人は極めて少ないです。

それは、学校で教えている英語は、もうすでに「試験の為」の勉強になってしまっているからです。

詳しく言うと、言語を学ぶには、リーディング(読む)・ライティング(書く)・ヒアリング(聞く)・スピーキング(話す)が必要なのに、日本では『リーディング(読む)・ライティング(書く)』ばかりで『ヒアリング(聞く)・スピーキング(話す)』がめちゃめちゃ少ないからです。

だから「学校で英語を教えてくれるんだから完璧にマスターして・・・」と思っても、学校で教える英語で英会話ができるようにはなりません。

なので学校の英語は「そこそこ」でいいんです。「そこそこ」っていうのは「まあまあできる」ってことです。理解度としては60%~80%ってところです。(80%理解できれば御の字だと思います)

それでも基礎の基礎として、単語の意味や、単語の組み合わせ(センテンス)、そしてスペルを知っていて書ける事はとても価値があって、それだけだって全く知らない状態からするとものすごいアドバンテージなんですね。

基礎だけは中学英語で習得しておいて、その後、興味が沸いたら自分で学ぶ、もしくは実際に海外に行ってみる、外国の人と話してみる、そうすると文法やボディランゲージも含めて、完全習得ができますよね♪

そうなったら~考えただけでも身震いします♪♪♪

おっと~、つい熱くなっちゃって、このお返事だけで3時間かかりました。
是非、息子さんに話してあげてください。

息子さん、すごくいい視点を持っているし、人と違った捉え方ができる子です。こういう子が海外でいろいろ吸収して日本に戻ってきてくれたら・・・と思うと、私もワクワクします♪

ココまで・・・

このお返事をして、SOMさんは「私には説明できない」と、直接息子さんに読ませたそうです。

そして、結果的に息子さんは、英語の勉強をし始めたそうです。

それがちょっと面白いので、その時のお返事をご紹介しますね。

ココから・・・

パピーさん、お返事ありがとうございます。

メールを拝見して「専門的な部分もあって、とても私じゃあ説明できない」と、パピーさんから頂いたメールをスマホごと息子に渡して読ませました。

そうしたら最初の一文でニヤニヤ。「褒められちゃった♪」って喜んでいました。

(「自分で考えたの?すごいじゃん!」や「広くアンテナを広げているとしたらそれも素晴らしい」とあった部分だと思います)

その後は真剣に文章を何度も何度も読んで、読み終わったら真剣な顔でパソコンを叩き、いろいろ調べ始めました。(いつもはゲームをしてるのに)

そして「ん~、ほんとだ。すげーなこの人」とつぶやきました。

「何か分かった?」と言いましたら「日本人が海外に行ってすごく活躍してるって話だよ」「メラビアン?たった7%ってホントだった」と、いろんなページやYouTubeを見て頷いていました。

そして「このメール、オレのスマホに転送して!」と言いました。きっと今後も読み返すのだと思います。(私もお気に入りのメルマガを何度も読み返しましたから)

その後1時間ぐらいでしょうか。自分で十分に調べた後「そっか~」と伸びをして「オレ、英語やるわ。なんか英会話とかもやってみたくなった」と言い出しました。

ちょっと前まで「英語なんてやりたくない!無くなればいい!」って言っていた子です。私は目玉が飛び出るかと思うぐらい(表現が古い)驚きました。

その後は一度も「英語なんて」とは言いません。

パピーさんすごいです。日本の今の状況や、立ち位置、世界の動きや文明の進歩など、パピーさんからのメールを読むとこの私でさえ「英語知らないのもったいないじゃん」って思います。

“『英語』は学校で教えてくれる教科の中で、唯一、収入や人生設計に直結する学問”

本当にそうですね。もし学校の先生がこんな話をしてくれたら、私はもっともっと英語にのめりこんで勉強をしたのに!と思います。なんだか息子にやきもちを焼いている自分もいます。

そしてさらっと「完璧を目指さない理由」と「そこそこでいい」とも書いてくださっていたので、子供が取り組むハードルがぐんと下がったと思います。

私も英語を勉強したくなりました。(海外には行く可能性は少ないですが、日本でそれを仕事に使えるところもあると思います)

又、今後の変化なども、ご報告させていただきたいと思います。
今回はありがとうございました。

ココまで・・・

息子さん、やる気になってくれたみたいで嬉しいです♪

「ググる」だけじゃなくYouTubeで確認されたってところが今っぽいです(でもこの「自分で調べる」のが大事で、これが本人の『納得』につながります)

SOMさんも「私も英語を勉強したくなりました」と書いてくださっていましたが、是非、是非、勉強してみてほしいです。私は両手を挙げて賛成です。

コロナが落ち着いて、これから多くの外国の方も日本に訪れますからね。需要は大きいと思います♪

今回は「英語」でしたが、勉強をお金に換算して説明した内容も好評でした。よろしかったらご覧くださいね。

第1193号 勉強なんてしたくない
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パピーいしがみ 人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。

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