第1399号 お小遣いは失敗させるため
こんばんは。パピーいしがみです。
毎日暑いですね。ですがここ数日は、朝晩が涼しくてエアコンを入れなくても過ごせる日が増えてきました。
(とは言っても、それが続くとは思えませんが・・・)
先日、インスタグラムで「小学生からスマホを持たせると借金で苦しむようになります」という内容のショート動画を出しました。
実は、これって滋賀県のランチ会でお話ししたテーマの一つが「スマホとお金」のことで、
参加された皆さんが「え〜!!」と驚いてくださったので、インスタグラムのリールでも流してみよう!と思ったのです。
正直に申しますと、これは絶対にアンチコメントがつくだろうな・・・とも思っていたんです。
なぜならショート動画(約1分半)で説明できるような話ではないからです。
どうしても言葉足らずになって「そんなことあるもんか!」「大げさだ!」とアンチコメントが付くだろうなと、覚悟していました。
ところが、そうならなかったんですね。
批判のコメントはほとんどなく、その代わりに「保存」してくださった方がとても多かったんです。
保存というのは「あとでもう一度見たい」「これは覚えておきたい」という行動ですよね。
つまり、多くのお母さんが同じ不安を、うっすらとでも感じていらっしゃるということなんだと思います。
小学生からスマホを持たせると(タッチ決済やコード決済で)金銭感覚が身につかない、お小遣いでの失敗も身につかない・・・というところから始まっています。
「減る」ということが、体で分からない
私が一番心配しているのは、子どもたちのお金に対する感覚です。
もちろん、すべてのご家庭がそうだとは言いません。
でも、お小遣いをスマホで渡す、買い物もタッチ決済やコード決済で済ませる・・・というご家庭は、確実に増えています。
大人にとっては便利です。小銭を持ち歩かなくていいですし、レジでもたつくこともない。とても合理的なんですね。
でも、お金の勉強をまだしていない子にとっては、どうでしょうか。
私は、お金について子どもが最初に知らなければいけないことは、たった3つだと思っています。
1.「今あるお金の中で買う」ということ。
2.「貯めてから買う」ということ。
3.「使えば減る」ということ。
この3つです。
たとえば500円のお小遣いを持ってコンビニに行き、150円のジュースを買ったとします。
現金なら、財布から150円が出ていって、残りが350円になる。手のひらの上で、お金が確かに減るんです。
私たちが子どもの頃は、お金を握りしめて買い物に行きましたよね。
あの、財布が軽くなっていく感じ。
減っていくと不安になって、たまっていくとちょっと嬉しくなる。
実は、あの感覚こそが「金銭感覚」なんです。
数字の話ではなくて、不安と安心の話なんですね。
ところがスマホの決済だと、画面の数字が350に変わるだけです。
頭では「減った」と分かる。でも、体では分からないんです。
「工夫」する余地がなくなる
もう一つ、私が残念だなと思うのは、やりくりの工夫が消えてしまうことです。
限られたお金の中で買い物をしようとすると、子どもは必ず考えますよね。
「こっちのほうが10円安いな」
「今日はこれを我慢して、来週まとめて買おうかな」
「あと50円足りないから、次にしよう」・・・そうやって、いやでも頭を使います。
あれ、実はものすごい勉強なんです。
でもキャッシュレスだと、提示された金額をそのままピッと払って終わりです。
速い。ラクです。スマートです。でも、考える余地がないんですね。
そして「使う」ことだけを覚えた子は、「貯める」という発想がありません。
使わずにいるとお金が増えていく、というあの嬉しい経験を、しないまま育ってしまうんです。
お小遣いは、失敗させるためにあります
そして、ここからが今日一番お伝えしたいことです。
私はいつも「子どもは失敗すべきです」とお伝えしています。
お金についても、まったく同じなんですね。
お小遣いというのは、じょうずに使わせるために渡すものではありません。
私は、失敗させる(お金の勉強の)ために渡すものだと思っています。
ひと月分を3日で使い切ってしまって、あとの27日を何も買えずに過ごす。
友だちがアイスを買うのを、横で見ているしかない。あの悔しさ。
その場の勢いで買ったのに、家に帰ったらもう飽きている。あの、しょんぼりした気持ち。
安いからと飛びついたら、すぐ壊れてしまった。「ちゃんとしたほうを買えばよかった」という後悔。
友だちにおごってしまって、自分の分がなくなった、というのもありますね。
これ、全部「失敗」です。でも、どれも数百円で済む失敗なんですね。
そして子どもは、この数百円の失敗から、驚くほどたくさんのことを学びます。
計画すること。我慢すること。値段と価値は別だということ。人にいい顔をしすぎると自分が困るということ。
どれも、口で言って聞かせても入っていかないことばかりです。でも、自分が悔しい思いをした経験は、一生忘れないんですね。
大人になってからの失敗は、桁が違います。
分割払い、リボ払い、ローン、投資の話、保証人・・・。そこで初めて失敗すると、取り返すのに何年もかかります。
でも、子どものうちに失敗をたくさんした子は、大人になってから失敗が減るんです。
「あ、これは前に痛い目にあったやつだ」と、体が覚えているからなんですね。
つまり、子ども時代の小さな失敗は、将来の大きな失敗を防ぐ「予防接種」のようなものなんです。
だから私は、お小遣いで失敗したときこそチャンスだと思っています。
ところが、スマホでは失敗ができないんです
ここが本当に大事なところなのですが、この「失敗から学ぶ」ということが、スマホの決済では起きないんですね。
理由は3つあります。
ひとつめは、痛くないからです。
失敗が学びになるのは、「悔しい」「困った」「もったいなかった」という感情がセットになるからなんです。
ところが画面の数字が減るだけでは、感情が動きません。痛くない失敗は、記憶に残らないんですね。
ふたつめは、失敗した瞬間が分からないからです。
現金なら、財布を開けた瞬間に「もう何もない」と突きつけられます。
でも残高は、自分から見に行かないと分かりません。気がついたときには、もう終わっているんです。
そして三つめ。これが一番怖いのですが、失敗が小さいうちに終わらないからです。
現金の失敗には、必ず上限があります。
財布の中身以上には失敗できませんから、どんなに大失敗しても、月のお小遣いの範囲で済むんですね。
ところがキャッシュレス、特に後払いには、その上限がありません。
500円で学べたはずのことを、5万円になってから学ぶことになる。
しかも、その5万円は結局、親が肩代わりすることになります。
そうなるともう、それは「子どもの失敗」ではなくて「家庭のトラブル」なんですね。
子どもは学ぶどころか、残るのは、怒られた記憶だけです。
失敗が全く身にならない。
だから、子どものうちに、自分で払える範囲で失敗をさせてあげてほしいんです。
そして「後払い」という落とし穴
今は、後払いという仕組みが当たり前になりました。
クレジットカードも、事前の登録もいりません。
メールアドレスと携帯電話番号を入れるだけで買えてしまうんです。住所も、年齢も、聞かれません。
もちろん、規約には「未成年は親権者の同意を得てください」と書いてあります。
でも、その同意を本当に取ったかどうかを確かめる仕組みは、事実上ないんですね。
子どもが画面に入力すれば、そのまま通ってしまうんです。
これ、大人の言葉で言えば「借金」です。
でも本人にその自覚はまったくありません。ただ「今、買える」というだけなんですね。
「そんなこと、うちの子に限って・・・」と思われるかもしれません。
でも国民生活センターへの後払い決済の相談は、2021年度の約1万4千件から、2024年度には約4万4千件へと、たった3年で3倍に増えているんです。
借金の、その次に来るもの
私が本当に怖いと思っているのは、ここから先です。
請求が増えて、払えなくなった子は、次に何を考えるでしょうか。
「簡単に稼げるバイト」を探すんです。苦労せずにまとまったお金が入る方法を、探してしまう。
そして、それもスマホの中にあります。「年齢不問」「即日払い」「面接なし」・・・そんな言葉が並んでいたら、追い詰められた子は飛びついてしまうんですね。
その正体が、特殊詐欺の手伝いだったりします。
電話をかける掛け子だけではありません。「封筒を運ぶだけ」「受け取って渡すだけ」という、一見なんでもない役として声をかけられる。
先日テレビで、元警視庁捜査二課の方が「闇バイトはすでに小学生にまで及んでいて、実際に補導された事例がある」とはっきり言っていました。
ニュースで名前を見ないのは、14歳未満は逮捕されず、児童相談所に通告される扱いになるからです。
報道に出ないだけで、現場ではもう起きているんですね。
便利さが悪いのではありません
ここまで読んで「じゃあキャッシュレスは全部ダメなの?」と思われたかもしれませんが、そうではないんです。
私自身も使っていますし、便利なものは便利です。
問題は、順番なんですね。
私たち大人は、現金でさんざん失敗して、やりくりを覚えた「あと」に便利さを手に入れました。
土台があるところに、屋根を乗せたわけです。
でも今の子どもたちは、いきなり便利なほうから入ります。
土台のないところに、屋根だけを乗せるようなものなんですね。
だから、揺れたときに支えるものがないんです。
では、どうすればいいのか
私がお勧めしているのは、この4つです。
(1)お小遣いは、最初は必ず現金で
まずは、お金が手の中で減る経験をさせてあげてください。
財布の中身を数えて、足りないと分かって、悔しい思いをする。
この体験がないまま便利さだけを覚えてしまうと、順番が逆になってしまいます。
(2)失敗しても、絶対に補填しない
これが一番むずかしくて、一番大事です。
使い切ってしまった子を見ると、かわいそうになりますよね。
つい「今回だけね」と足してあげたくなります。
でも、そこで足してしまうと、せっかくの失敗が失敗でなくなってしまうんです。学びが消えてしまうんですね。
そして「だから言ったでしょ」も、言わないであげてください。
責められると、子どもは「失敗した自分」のことばかり考えて、「次はどうしよう」を考えなくなります。
「悔しかったね」だけでいいんです。
あとは黙って見ていてあげてください。子どもは自分でちゃんと考えますから。
(3)使えるお金の枠を、目に見える形にする
キャッシュレスを使うのであれば、必ずチャージ式にして、月にいくらまでと決めてください。
そして残高を一緒に確認する時間を作る。「今いくら残ってる?」と聞くだけでいいんです。
減ったことを口に出させるだけで、数字が少しずつ体感に近づいていきます。
(4)ルールは、必ずお子さんと一緒に作る
親が一方的に決めた禁止事項は、子どもにとっては「破る対象」でしかありません。
でも自分が参加して決めたルールは「守る対象」になります。破ったときにどうするかまで、一緒に決めてくださいね。
そしてもう一つだけ、ふだんから伝えておいていただきたい言葉があります。
「お金のことで困ったり、知らない人からお金の話をされたら、必ず教えてね。絶対に怒らないから」
子どもが一番言えなくなるのは、「怒られる」と思ったときです。
逆に言えば、怒られないと分かっていれば、子どもはちゃんと相談してくれます。
この一言が、いざというときの命綱になるんですね。
お金の感覚は、一日では育ちません。でも、今日から始めれば必ず育ちます。
そして、そのために必要なのは、上手に使わせることではなくて、小さく失敗させてあげることなんですね。
4・5・6年生はスマホを欲しがる時期ですよね。(どんどん低年齢化していきます)
親のお下がりを使わせても構いませんが、特にこの決済については、気をつけて欲しいと思います。
お知らせ
(1)上級編をお持ちの方に、リニューアルのお知らせと、URLをお届けしましたが、そのURLが開けない方、そもそも案内が届かなかった方が多数おられました。
もし「私も開けなかった」「届かなかった」という方がいらっしゃいましたら下記へお知らせください。個別にご連絡させていただきます。
age18_jp@yahoo.co.jp
(2)8月29日(土曜日)に、群馬県の教育委員会主催のイベントに登壇してお話ししてきます。
前日からの泊まりの予定なので、8月28日(金曜日)のインスタライブはお休みになります。
どんな話をして、どうだったか・・・については、また、このメルマガでお話ししますね。
(3)2026年下期ランチ会は、下記のようになります。
1度ランチ会に参加した人も参加してくださってOKです。
その方が多方面で仲間が増えますからね♪
9月 山梨県ランチ会
10月 大阪府ランチ会
11月 愛媛県ランチ会
参加をご希望の方はパピーいしがみまで。
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(4)藤川理論(分子栄養学)コミュニティ
(会員さんなら誰でも参加できます)
メール送信先:age18_jp@yahoo.co.jp
今日も最後までご覧いただきましてありがとうございました。
暑い日が続きますからね。体調管理をしてのりきりましょうね♪
では、また来週お会いしましょう(^^)
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子ども達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。














