第448号 “育て”の極意 2
こんばんは。パピーいしがみです。
今日は前回お話した、脳科学から解説された『“育て”の極意』の続きを話すのでしたね。
前回は『自発性を育てる事』が脳には最高にいいんだ。そして、「育てのプロフェッショナル」達が、その自発性を育てる為にどんな事をしているのか?という所までの説明でした。
それで今日は、誰もが認める、その道のプロ、カリスマ、第一人者になる為に、へこたれず、果敢に挑戦し、克服し続けるスピリットは、どうして育てられたのか?という事について、お話するのでした。
番組内で、多くのプロフェッショナル、カリスマ、第一人者と接して話を聞いているうちに、その方々には、共通して『どんな事にもくじけない、諦めない精神』『果敢に挑戦する姿』が必ずあったんですね。
そして、取材を続ける内に、「そのスピリットを培った裏には、それなりの理由、共通する“育てられ方”があったんだ!」という事を発見するのでした。
それを茂木さんは、脳科学の見地から、「安全基地を持つ」という言葉で説明されていました。
安全基地とは赤ちゃんを研究していて分かった概念なのだそうです。
赤ちゃんにとっては、自分が見るもの、触るもの、全てが未知なものです。
ですが、見守ってくれるお母さんがいるから、安心して次々と新しいことに挑戦する事ができる。
この「安心できる」為の、「お母さん」の存在。それが『安全基地』だと言われているそうなのです。
ココで、番組では、ひとりのカリスマ、プロフェッショナルの育てられ方を紹介されます。
それは、ロシアのボリショイバレエ団、唯一の日本人ソリスト、岩田守弘さんのお父さん・お母さんでした。
ボリショイバレエ団と聞くと、多分、「聞いた事がある」と思われるのではないでしょうか?
クラシックバレエの最高峰として有名ですよね。日本公演のパンフレットには、こんな風にありました。
首都モスクワの中心に堂々たる威容を誇る殿堂、ボリショイ劇場を本拠地とするボリショイ・バレエ団は、
150人近くの舞踊手が所属する世界有数の規模と、スケールが大きく躍動的な舞踊スタイル、また、数々のスターを生み出した伝説によって世界に君臨し、近年の日本公演でもつねに圧倒的な層の厚みと底力を見せつけています。
このパンフレットにあったチケットの値段ですが、S席のチケットが約2万円。平均の席でも1万円以上。でした。
ボリショイバレエ団の歴史は230年になるそうです。
また、このボリショイバレエ団。ずっと外国人には門戸を開いていなかったのだそうです。
そして、この岩田守弘さんが、硬く閉じたその扉を開いた、初めての外国人。
今でも、外国人ソリストとして活躍するのは、岩田さん、お1人なんだそうです。
と聞くと、相当恵まれた容姿の持ち主か?と思いますよね。でも実は、岩田さんの身長は166センチ。男性ダンサーの中でも最も小柄です。
バエレをする男性としては、背の低さはデメリットです。なのに、世界最高峰のバレエ団に重要な存在としているんです。
きつく閉じた扉を開き、そして外国人としてたった一人。恵まれない体格。言葉、文化の違い・・・。
歴史があって閉鎖的な世界で生きていく為には、私たちの想像を絶するような辛い事も沢山あったと思うのですね。
偏見もあったでしょうし、嫌がらせも、理不尽な事もあったそうです。
ですが、それらを全て乗り越え、超一流、伝統ある組織の中で、ソリストの座を獲得したんです。
岩田さんの言葉はこうでした。
「今もそうだし、モスクワにきた時もそうだけど、何かあったら家に帰ればいいかな・・・って・・」
困難に立ち向かう、岩田さんの挑戦の力になったのは、安全基地としての、親の存在だったのだそうです。
その岩田さんを育てたお母さん・お父さんは、どのようにして、彼に接していたのか?を番組では紹介していました。
ちなみに、岩田さんのお父さんは、元バレエダンサー。今は、ご自身のバレエスクールで、夫婦でバレエを教えているのだそうです。
お父さんがこう言われます。
「とにかく、あれやれ、これやれ、とか、あれやっちゃいかん、これやっちゃいかん、これは間違ってる、なんてことは一切言わなかったですね」
お母さんはこう言われます。
「自分のやりたい事をやらせようって・・・。」
お父さんがこうも言われました。
「指図したり、強制したりするのではなく、子供が行きたい方向に行かせ、親が追いかけて、いいぞいいぞと応援した・・・。」
私は、これを見ていて思ったんです。
お父さんは、ご自分がバレエダンサーだったし、自宅でバレエを教えていても、子供には決して、「バレエをやれ」とか言わなかったんだろうな~、って。
でも、結局子供は、親が何に最も興味を持っていて、何を真剣にやっているか、その姿を見て、“自分から”バレエを選んだんだろうな~、って。
あ、脱線しましたね。話を元に戻します。
自発性を大事にする、子供のやりたい事をやらせる、それは分かるけど、子育てしていれば、困る事だって起きてきますよね。
全てを肯定しているわけには行きません。
岩田さんには、欠点なんて無かったの?って思いませんか?
いいえ~。やっぱり岩田さんも人の子です。ちゃんと欠点をお持ちだったそうですよ(^^)
ヤンチャもヤンチャで、ふざけてばっかりだったそうです。集中する事ができなくて、すぐに落ち着きをなくす・・・。そういう子供だったそうです。
その時、お母さんはどうしたか?こんな風に言われていました。
「守弘はとにかく、抱いて・・・抱いて、抱いて、育てました・・・。」
茂木さんの説明が入ります。
「人を育てる側が安全基地となる為には、その人(子供)の欠点とか短所を含めて、全存在を受け入れなければいけないんですね。
親のそういう気持ちがあって初めて安全基地が生まれて、その人(子供)は安心して、新しい困難に挑戦する事が出来るようになるんですよ。」
難しくなってきましたので、ちょっとコレまでを整理しますね。
安全基地になる為に・・・
1、子供のやりたい!と思うことをやらせる
2、親が指示や命令をするのではなく、一歩下がって応援団に徹する。
3、欠点とか短所も含めて、全存在を受け入れる。
そして、茂木さんの言葉。
「欠点とか短所を含めて、全存在を受け入れなければいけない」これらはかなりハードルが高い!って思われますよね。
「そんなの出来ないよ~」と思うかもしれません。
例えば、『応援団に徹する』だって、仕事をしていたり、子供と接する時間が少なければ、いくら応援団に徹したくたって出来ない時がある!って思いますよね。
アナウンサーの住吉美紀さんがこんな質問をされました。
「“応援団”に徹するとありましたが、親が仕事をしていて、一緒にいられる時間が少ないとしたら、安全基地になれない、って事ですか?」
それについて茂木さんが答えます。
「赤ちゃんの脳には、かなり初期の段階から、母親のイメージが作られます。お母さんがいない時には、そのお母さんのイメージを頼りに自分を支えていくんです」
「安全基地とは物理的に存在するものではなく、脳の中のイメージとしての存在なんです」
「母親とはこういう存在で、こういう時にはこういう事をしてくれる、というイメージです。そのイメージが出来れば、それが安全基地となるんですね。」
この番組の内容は、もっともっと深く、今回私がご紹介した所は、ほんのその一部にしか過ぎません。
ですが、こんなに長くなってしまいましたので、そろそろ終りにさせて頂きます。
私たちは、自分の子供を世界一にしたいわけではありませんよね。
ですから、この岩田さんのご両親のような、完璧な親になろうとしなくて良いと思うのです。
でも、もし、この岩田さんの子供として自分が育てられたら、きっと今と違う自分になっていたかもしれないな?とは思いませんか?
私たちの子供時代は、終りました。でも、私たちの子供達は、ちょうど“今”その時期です。
だとしたら、ほんの少しでも、そのエッセンスを取り入れたら、今後、どうなるか?楽しみですよね(^^)。
最後に、番組を見て感想を下さった、teathさんからのメールをご紹介させて頂きます。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。
先日、号外で教えてくださった番組見ました。びっくりしました。
だって、テキストに書かれていることやパピーさんが話してくれることと全く同じだったからです。
最初から、最後まで、驚きの連続でした。
そして、最新の脳科学で・・・と説明されている、そんな内容を私は学んでいるんだ・・・。と思うとドキドキして、興奮して眠れませんでした。
特に私が感じたのは、パピーさんの「安全基地」としての存在です。
いつでも相談できるし困ったらメールできる、それに、否定をされない、って事。
出来る所から始めればいい、って言われている事。その言葉に何度、救われたか分かりません。
そういう安心感があるからこそ、こんな私でも「今度はこうやってみよう」って思えるし、本当に亀の歩みですが、一歩一歩、継続できているのだと思います。
今度は、私が子供達の「安全基地」になる番ですね!!(笑)
でも、この頃とってもうちの中がいい感じなんです。私も少しずつ「安全基地になれているかな?」って思っています。
悩んでいたあの頃が嘘のようです。この報告については、又、聞いてください♪
お忙しいと思うので、お返事は結構です。テレビを見て、改めて御礼を言いたくなっただけなので・・・(^^)
素晴らしい情報を、そしてパピーさんから教えてもらえる機会を感謝しています。ありがとうございました。
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